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【主張】接待官僚の処分 「国民の奉仕者」胸に刻め

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産経新聞

 菅義偉首相の長男が勤務する放送会社「東北新社」から総務省幹部が過剰な接待を受けていた問題で、同省は11人を国家公務員倫理規程違反で処分した。山田真貴子内閣広報官も総務審議官当時に接待を受けたため、給与を自主返納して厳重注意された。

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 利害関係者との会食に対する処分である。接待による働きかけで放送行政が歪(ゆが)められなかったか。同省は検証委員会を設けるが、徹底した真相の解明が不可欠である。身内によるおざなりな調査にとどまれば、大きく揺らいだ国民の信頼を取り戻せまい。

 官僚の規律の緩みが目に余る。これを契機に中央官庁全体で、利害関係者らからの接待などの実態について調べる必要がある。

 総務省によると、東北新社からの接待は5年前から合計で延べ40件近くあり、うち21件で首相の長男が出席していた。東北新社の子会社は、同省が許認可権限を持つ衛星放送事業を行っており、国家公務員倫理規程が会食などを禁じる利害関係者にあたる。

 このため同省は接待を受けた谷脇康彦総務審議官ら7人を減給、2人を戒告、残り2人を訓告と訓告相当とする処分を下した。事務方ナンバー2の総務審議官や衛星放送業務の担当局長らが、癒着が疑われる行為を繰り返していたのは深刻な事態だ。

 同省幹部らは東北新社以外の事業者との会食はなかったと説明している。それならなぜ同社だけと接触したのか。首相が総務相時代に秘書官を務めた長男らから具体的な働きかけがなかったのかを明らかにしなければならない。

 25日の国会で野党から追及を受けた山田氏は、東北新社側から高額な接待を受けたことを謝罪した。事業に関する働きかけは否定したが、これで国民の納得が得られたとは思えない。

 同日には農林水産省も、収賄で在宅起訴された吉川貴盛元農水相と鶏卵大手「アキタフーズ」の前代表の会食に参加し、国家公務員倫理規程に違反したとして、同省の枝元真徹事務次官ら6人を処分した。これでは規律の緩みが霞が関の官庁全体に蔓延(まんえん)しているとみられても仕方あるまい。

 国家公務員法は「すべての職員は国民全体の奉仕者として、公共の利益のために勤務しなければならない」と定めている。これを重く胸に刻んでもらいたい。

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