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【主張】58カ国の宣言 中国は恣意的拘束やめよ

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産経新聞

 国家が政治的な報復など恣意(しい)的な理由で外国人を拘束することは深刻な人権侵害であり、許されるものではない。

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 カナダが、国家間の関係における恣意的な拘束に反対する国際宣言を公表した。

 カナダが主導したもので、日本や米国、欧州連合(EU)加盟国、ウクライナなど58カ国が賛同した。

 宣言は批判対象として特定の国名を挙げなかったが、カナダ政府は中国、イラン、北朝鮮、ロシアを念頭に置いているとされる。ガルノー・カナダ外相は声明で、「(恣意的拘束という)違法かつ不道徳な振る舞いをやめさせなければならない」と指摘した。

 カナダ人の元外交官ら2人が国家機密を探った罪などで中国当局に拘束されている。カナダ当局は2018年、米政府の要請を受けて、中国通信機器大手「華為技術(ファーウェイ)」の孟晩舟副会長兼最高財務責任者(CFO)を逮捕した。カナダ人2人はその後に拘束されており、カナダ政府は不当な報復とみている。

 中国政府は今回の宣言や孟氏の逮捕に強く反発している。

 だが、孟氏の逮捕は、米国のイラン制裁違反に関連した詐欺の容疑による。法に基づく逮捕が気にくわないからといって、カナダ人拘束は正当化できない。

 中国内に滞在する外国人を恣意的に拘束し外交上の圧力や取引の材料にするのは中国政府の常套(じょうとう)手段である。

 理不尽な人権侵害を見て見ぬふりをしてはならない。自由と民主主義を掲げる国々は連携し、不当に拘束された人々の解放を求める動きを強めるべきだ。

 日本も人ごとではない。2010年9月、尖閣諸島付近で海上保安庁の巡視船に衝突した中国漁船の船長を公務執行妨害で逮捕した後すぐに、在中国の日本企業社員が機密対象物を違法に撮影したとして身柄を拘束された。

 中国では最近でもスパイ行為に関わったなどとして当局が日本人8人を相次いで拘束し、今も有罪判決を受けた7人が服役中だ。公判はいずれも非公開で容疑事実すら判然としていない。

 三権分立を否定し、憲法の上位に共産党を置くのが中国である。外国人の恣意的拘束をためらわない現状は、中国への入国リスクを極めて高いものにもしている。中国政府は直ちに改めるべきだ。

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