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【外信コラム】帰国で思う日本の魅力 日本人看護師に恋したロシア軍兵士

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産経新聞

【赤の広場で】

 先日、一時帰国のため訪れたモスクワの空港で問題が起きた。新型コロナウイルスの陰性証明書の一部がロシア語で書かれており、日本の航空会社から「英語でないと入国規定に反するため搭乗させられない」と伝えられたのだ。結局、同社職員が駆け回ってくれ、間一髪で搭乗できた。他国の航空会社であれば「書類を整えて出直せ」と言われて終わりだったはずだ。

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 機内では客室乗務員の心配りに目を奪われた。一般に顧客サービス意識が乏しいロシアで暮らしてきたせいか、1年数カ月ぶりに味わった至れり尽くせりのもてなしは非常に心地よかった。乗務員らはロシア人乗客の身勝手な要求にも笑顔で対応していた。

 思い出したのは『英国人写真家の見た明治日本』(講談社学術文庫)の一節だ。日露戦争時、負傷して捕虜となったロシア軍兵士の何人もが、病院でかいがいしく看病してくれる日本人看護師に恋をしたという。著者のポンティングは、日本人の親切さは世界一だと書いている。

 東京五輪・パラリンピックは日本の無形の財産であるおもてなし文化の魅力を改めて世界にアピールする舞台となるはずだ。開催の形はなお不透明だが、できるだけ多くの外国人が訪日し、日本と日本人の良さに触れることを願ってやまない。(小野田雄一)

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