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【話の肖像画】「世界の盗塁王」福本豊(73) 花の44年組、切磋琢磨の日々

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産経新聞

プロ野球評論家の福本豊さん=兵庫県西宮市(恵守乾撮影) 1/2枚  ■花の44年組、切磋琢磨の日々

 《昨年のプロ野球日本シリーズは、セ・リーグ王者の巨人がパ・リーグのソフトバンクに2年連続で4連敗、衝撃の結末に両リーグの野球の違いが話題となった。自身はパ・リーグの阪急(現オリックス)で20年間、プレーした》

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 昨年の日本シリーズについて、始まる前に勝敗予想を聞かれると「第1戦で負けたら巨人はあかんな」と言っていました。結果はやっぱりそうやったね。ソフトバンクは選手層が厚い。(昨年、13試合連続盗塁で自身の日本記録を塗り替えた)周東佑京(しゅうとう・うきょう)選手でも「のんびりしていたら抜かれる」と言っていましたからね。レベルの高い選手がなんぼでも出てくるから、選手は休む暇がない。自分のレベルを上げるため、人と差をつけるために練習している。

 他の選手に追いつくために倍の練習をしたってなかなか追いつかへんし、1回差をつけられると、その差をつめるためには相当な努力をしないとあかんのです。がんがん練習していくなかで体を鍛えて強くして、故障しない体をつくる。技術も上げていかなあかん。練習をぎょうさんして負けるのは悔しいでしょう。だからチームが強くなる。

 僕らの時代は「人気のセ、実力のパ」と言われて、パの僕らはなかなかメディアに取り上げてもらえなかった。それが交流戦をやりだして、パ・リーグも見てくれるようになった。だから人気の面でも選手たちは差をそんなに感じていないでしょうね。

 《1月に動画投稿サイト「ユーチューブ」に「福本豊チャンネル」を開設した。そこで古巣への思いを語っている》

 オリックスは平成7、8年にリーグ優勝して、8年は日本一にもなった。最後の日本一から25年。もうそろそろ優勝せなあかん。選手はそろっていて、しっかりした投手も3、4人いる。力はあるのに、終盤に簡単に試合をひっくり返されるというショックの大きい試合が多いんです。選手は負け慣れしていて、悔しさが前面に出てこないというのかな。今の時代は優勝しなくても、成績が良かったら給料が上がる。僕らがいたころの阪急は、成績が良くても優勝しなかったら給料の上げ幅はほとんどなかった。

 《阪急では8回のリーグ優勝と3回の日本一に貢献し、主力選手だった同期入団の山田久志さん、加藤秀司(英司)さんと「花の44年組」と呼ばれた》

 44年組はよそのチームもみんなすごいのばっかりやった。どれみても入団当時からチームの顔。ぶっちゃん(田淵幸一さん・阪神)、星野(仙一さん・中日)、山本浩二(浩司)さん(広島)、有藤(通世さん・ロッテ)、大橋(穣さん・東映)、東尾(修さん・西武)ら。スパルタで育った選手ばっかりで、しごかれても、けがしても休まん。みんな根性があった。僕は同期入団の中では突然変異です。「化けたらもうけもん」というドラフト7位。ピンチランナーでおったらええなと。僕には運があったんですね。ただ、僕の時代は監督から「日本一になるための練習、巨人に勝つための練習」と言われていました。阪急はどんなときも練習はきつかった。まあ、それは練習しましたね。自分は下手やから素直に聞けた。練習はやってやり過ぎはないです。(聞き手 嶋田知加子)

写真一覧

  • オリックスの日本一に貢献したイチローさん(右、当時はマリナーズ外野手)と=2003年7月、米シアトルのセーフコ・フィールド(共同)

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