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【話の肖像画】「世界の盗塁王」福本豊(73) 元祖!?大阪弁で野球解説

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産経新聞

番組で阪神の近本光司外野手(右)から盗塁について質問を受ける=令和元年12月、神戸市中央区のサンテレビ(中島信生撮影) 1/1枚  ■元祖!?大阪弁で野球解説

 《現在は野球評論家として活躍。スコアボードのゼロ行進を「たこ焼きみたいやな」と解説するなど、独特の語り口を楽しみにしているファンは多い》

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 (心掛けているのは)簡単に分かりやすく、というだけ。おじいちゃん、おばあちゃん、子供にも分かりやすい表現、頭に描いてもらいやすいというのかな。名言を言おうなんて考えていない。たこ焼きはスコアボードに0が並んでいるのを見て、たまたま頭に浮かんだだけ。目の前にあることを見てしゃべるのが基本やと思います。解説するようになって周囲に心配されたのは「放送禁止用語をしゃべるんちゃうか」ということ。好きなことをぽんぽんとテンポよく言うから、苦情電話がバンバンかかってくるのではと周りは心配してくれていた。でも、一度もないんです。

 初めて解説したとき、標準語でしゃべろうとしたんです。でも言葉が出てこなかった。ていねいにしゃべっている間に投球は終わっているし、ゲームがどんどん進んでいた。そうしたら、当時のプロデューサーが「しゃべりにくいんとちゃいますか。大阪弁で言ったら?」と。最初に大阪弁で解説したのは、僕とちゃうかな。練習は必ず見るようにしています。選手も見ているしね。現在はコロナ禍でキャンプの現場には行けないけど、テレビ中継は見ています。でも、やっぱり「生」で見なあかんね。一人一人のバッティングも、テレビで見るのでは振る格好だけを見ている感じ。どんなタイミングなのか、とか、やっぱり実際に見ないとね。

 《現役引退から30年あまり。解説席から多くの試合を見つめてきた》

 最近の球場はどこも広くなりましたね。僕の現役時代、大阪、日生、川崎、後楽園と球場は小さかったですから。広かったら守りやすいやろうな、とは思います。しんどいけどね。守りも足の速い人なら、捕れないと思うような打球が捕れる。解説席から見ていて、「自分やったら捕れるな」と思うこともありますよ。

 野球は今も、やはり東京と大阪の勝負で盛り上げてほしい。阪神と巨人の試合は伝統の一戦と言うんやから。今の阪神は人気あるけど、鳥谷(敬内野手)がチームを去り、藤川(球児投手)は現役引退して、今は生え抜きの顔がいない。誰がレギュラーか、よう分からへん。近本(光司外野手)も大山(悠輔内野手)も基礎を作っているところで、まだまだこれから。ちょっとずつよくなっているけど、この1年がまた勝負やね。3年4年続けてやっと認めてもらえるんです。

 《選手の気質も変わった》

 最近は打者が肘当てなどの防具を着けるようになりましたね。自分たちの頃はいなかった。当たらんかったらええ、もし当たっても痛くないように体を使う練習もしていました。今の投手はなんで文句を言わへんのかなと思う。追い込んでも当たったら死球になる。痛くないのに投手は損やな、と思う。首から上はあかんけどね。今は「友達野球」やと思います。仲が良いのはいいんだけど、やっぱり試合で勝負しているんだから。あいさつするのは当然やけど、ノムさん(野村克也さん)は「(他の球団の選手と)話をするな。あいさつにはファンのいないときに行け。今から勝負するんだろう」とよく言っていましたね。(聞き手 嶋田知加子)

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