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【主張】総務省接待問題 混乱招いた愚を猛省せよ

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産経新聞

 速やかな謝罪の機会を逸し、答弁の二転三転がさらなる疑念を招く。政府の危機管理は誤りだらけだ。「森友学園」などの問題で国会を混乱させた反省もみられない。

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 国会には新型コロナウイルス対策をはじめとする課題が山積している。いたずらに混乱を長引かせる愚を、これ以上繰り返してはならない。

 総務省幹部らが、放送事業会社「東北新社」に勤める菅義偉首相の長男から接待を受けた問題で、同省は計13人の職員が接待を受け、うち11人について国家公務員倫理規程上の「利害関係者からの接待」に該当するか、その可能性が高いと認定した。

 菅首相は衆院予算委員会で「長男が関係し、結果として公務員が倫理規程に違反する行為をしたことについては心からおわび申し上げる」と陳謝した。

 接待の事実も、長男が利害関係者に当たることも最初から明白だった。もっと早期に謝罪すべきだった。事態を混乱させたのは「長男と私は別人格」と国会で述べた菅首相の強弁である。

 菅首相が総務相時代に長男を秘書官に起用した。長男はその後、東北新社に勤務し、総務省が許認可権を持つ衛星放送事業に関わる役職に就いた。首相は官房長官時代も含め、一貫して総務省に強い影響力があり、「別人格」の反論には説得力がなかった。

 長男と会食した総務省の秋本芳徳情報流通行政局長は、衛星放送の話題について「記憶はない」と繰り返していた。だが、「文春オンライン」が会話時の音声データを公開すると、一転してこれを認めた。

 秋本氏らは20日付で官房付に異動した。事実上の更迭だが武田良太総務相は「(接待問題と)人事異動は全く関係ない」と述べ、加藤勝信官房長官も「適材適所の配置として行われた」と強調した。誰も信用しない。

 新証拠に転変する役人の答弁や到底信じ難い閣僚の発言が、国民の間に不信感を広げていく。

 武田総務相は調査結果の公表前も後も、「放送行政がゆがめられたということは全くない」と答弁し、撤回も拒否した。

 贈収賄罪など刑事事件に発展する可能性もある事案である。事実関係の説明が二転三転しながら、結果のみの全否定は通るまい。調査は不十分だ。

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