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【主張】宣言解除への課題 経済活動再開の指針示せ

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産経新聞

 新型コロナウイルス対策の特別措置法に基づく緊急事態宣言は、10都府県で延長期間に入る一方で、前倒し解除に向けた検討、議論が活発化してきた。

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 ただ医療提供体制の逼迫(ひっぱく)は続いている。大阪府は政府への解除要請を見送った。早期の全面解除は困難な状況だが、社会経済活動の停滞をずるずると長期化させるわけにはいかない。

 政府は「宣言解除後」を見据えて、コロナ対策と社会経済活動のあり方を議論し、国民に指針を示すべきである。

 緊急事態宣言下の10都府県を含め、新型コロナの新規感染者は減少傾向にある。だが、第2波や第3波の初期段階と比べれば感染者数はまだ多い。感染防止策を一気に緩めれば、第4波の呼び水になる可能性が高い。

 政府は13日に施行される改正特措法に新設した「蔓延(まんえん)防止等重点措置」を活用し、感染防止と経済活動の両立を目指す考えだ。

 例えば飲食店への営業時間短縮(時短)要請は、感染状況を踏まえて段階的に緩和されることになりそうだ。政府と自治体が連携して改正特措法を適切かつ効果的に運用することが重要だ。

 一方で、休業や時短要請と補償をセットにする枠組みでは、規模や業態が違う飲食店に細かく対応するのは難しい。全ての飲食店を支えるためには、通常営業を前提として、コロナ対策を再検討しておく必要がある。

 多くの飲食店はすでに、飛沫(ひまつ)防止や換気などのコロナ対策を実施している。それが不十分だとするなら、何が必要なのか。経営者や業界任せにせず、政府や自治体が議論、検討を主導して指針を示すべきである。

 人の移動やイベント開催についても検討が必要だ。

 宣言解除後も、大都市圏と地方の人の往来は一定の抑止が必要な状況はしばらく続くだろう。一方で地域を限定して「Go To トラベル」事業の再開を望む声が多くの知事から出ている。

 また1月には、50万人規模の大学入学共通テストがコロナ対策を徹底したうえで実施された。社会活動とコロナ対策の両立が「やればできる」ことの一例である。

 緊急事態宣言の解除を急ぐよりも、今大事なことは「何をやれば何ができるのか」を議論し、国民に提示することである。

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