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【主張】沖縄振興計画 現実に即した政策立案を

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産経新聞

 国や地元自治体による沖縄活性化策の土台となる沖縄振興計画について、沖縄県が令和4年度以降の次期計画の骨子案を作成した。

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 SDGs(持続可能な開発目標)の推進を前面に出し、「誰一人取り残さない社会」を目指すとしたことが特徴だ。

 ただし、理念先行で具体性に乏しく、十分な実効性があるとは言い難い。県は、いまだに自立できない沖縄経済の現実を直視し、地に足の着いた立案をすべきである。

 来年度末に期限を迎える沖縄振興計画は昭和47年度以降、10年ごとに策定されてきた。本土との格差是正や自立型経済の構築を目的とし、今年度までに13兆1千億円の国費が投じられている。

 同計画はかつて国が策定していたが、現行の第5次計画では、地元が自主性を発揮できるよう県が主体的に計画を立案する仕組みを導入した。

 沖縄の1人当たり県民所得は12年連続の全国最下位で、補助金体質からも脱していない。次期計画に求められるのは、自立に向けた実効性のある施策である。

 県の骨子案には「世界に誇れる環境モデル地域の形成」や「アジアの主要都市に比肩する100万都市圏の形成」など、聞こえのいいうたい文句が並んでいる。

 一方で、米軍からの返還が期待される軍用地跡地の有効利用については、地元経済の発展につなげる具体性があまりみられない。

 例えば宜野湾市の米軍普天間飛行場は、跡地で「平和希求のシンボルおよび広域防災拠点機能を備える国営大規模公園の整備」を目指すというが、果たして公園の整備で十分なのか。

 那覇市と沖縄市の中間にある普天間飛行場の広大な跡地を再開発し、那覇への一極集中が緩和されれば、経済効果が広範囲に及ぶと多くの専門家が指摘している。普天間飛行場の名護市辺野古移設に反対するばかりで、跡地活用の現実的な選択肢を真摯(しんし)に検討していないなら残念である。

 先の大戦で苛烈な地上戦が行われ、現在も米軍基地が集中する沖縄の振興が国の責務であるのは論をまたない。沖縄の経済的自立は国民の願いでもある。

 だからこそ県は、軍用地跡地の利用方法を含めて現実的な振興策を検討し、国民が納得できる計画案を提示すべきだ。

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