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【主張】施設クラスター 宿泊療養使い生活分離を

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産経新聞

 高齢者施設で新型コロナウイルスによるクラスター(感染者集団)の発生が止まらない。

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 厚生労働省や自治体は施設の努力に依存してはいけない。

 感染した人と感染していない人を分けるための療養場所の確保や、広域でのスタッフ派遣のやりくりなど支援を強化すべきである。

 東京都では、葛飾区の介護老人保健施設で入所者と職員の計49人の感染が分かった。大阪府内の高齢者施設でもクラスターの発生が続いている。

 厚労省の5日の発表では、新型コロナに感染しながら社会福祉施設で療養している人は全国で約500人に上る。昨年末の公表に比べて7割増しの勢いである。

 背景には感染拡大に伴う病床の逼迫(ひっぱく)がある。施設の高齢者が感染してもすぐに入院できない。陽性であっても施設内に残り、感染を広げてしまっている。

 介護施設で感染を広げないことは容易ではない。入所者によっては、マスクの装着やゾーニング(生活場所の区分け)の必要性が理解できない。介護の過程では身体密着も避けられないからだ。

 高齢者施設のクラスターを防がなくては、高齢者の死亡が増えかねない。病床逼迫のしわ寄せが高齢の入所者や施設に及んでいる現状を改めなくてはならない。

 厚労省や東京都は施設でのPCR検査を徹底するという。それはよいとしても、十分とはいえない。問題は、陽性だが軽症だったり、無症状であったりする高齢者に、どこで療養と介護を提供するか、であるからだ。

 都はなぜ、宿泊療養施設を活用しないのか。今は原則として高齢でない人が対象だが、ワンフロア全体を、あるいは1棟まるごと、高齢者のためにも提供してほしいという声は現場にもある。

 だが、直近の都の状況は5510室を確保しながら、宿泊療養施設を使っているのは557人だ。使用率はわずかである。都道府県によって活用の程度は違うが都は一貫して低調だ。高齢者への活用も検討してもらいたい。

 厚労省は社会福祉法人などに、広域での介護職や看護職の派遣協力を強く求めてもらいたい。施設で感染者が発生すると濃厚接触の職員が自宅待機になる。その結果、ケアが行き届かなくなって亡くなるリスクもあるからだ。

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