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【主張】バイデン氏の演説 「対中抑止」最優先で進め

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産経新聞

 バイデン米大統領が演説やインタビューで外交政策について発信している。中国に対して厳しい姿勢で臨むと語ったことが特徴だ。

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 4日の演説では中国を「最も手ごわい競争相手」と位置付け、「米国の繁栄と安全、民主的価値観は中国の直接的な挑戦を受けている」と語った。7日放送の米テレビのインタビューでは、習近平中国国家主席について「彼を形づくるものの中に『民主主義』は含まれていない」と指摘した。

 「内政重視」へ偏っていると指摘される点を意識して、外交も重視し、同盟国との協調を目指す姿勢を示すねらいがある。

 ブリンケン米国務長官は5日、中国外交担当トップの楊潔●(ようけつち)共産党政治局員との電話会談で、台湾海峡を含むインド太平洋の安定を脅かす中国の行動について、責任を追及すると警告した。

 米海軍第7艦隊の駆逐艦は4日に台湾海峡を通過し、5日に南シナ海で「航行の自由」作戦を実施して、中国の台湾への圧力や南シナ海の軍事化を牽制(けんせい)した。

 バイデン氏が中国に対(たいじ)すると語り、ブリンケン氏が警告を発し、トランプ前政権と同様に米海軍が台湾海峡や南シナ海で中国ににらみを利かせる構えをとったこと自体はいずれも歓迎できる。

 ただし、残念なことだが、バイデン政権の対中姿勢が日本の国益や国際秩序の維持に寄与すると過信はできない。

 バイデン氏は演説で「米国の国益に沿うのであれば(中国と)一緒に取り組む用意がある」とも述べた。気候変動問題などが念頭にあるのだろう。

 中国は温室効果ガスの最大の排出国だ。バイデン政権のケリー気候変動対策大統領特使は1月27日、南シナ海問題などを気候変動をめぐる取引材料にしないと述べた。だが、気候変動対策こそが最大の国益だとして、バイデン政権の対中政策が中途半端なものにならないか懸念は残る。

 バイデン氏の演説で気にかかるのは、全体主義政権が世界第2位の経済力を持ち、軍事力を急拡大させているという「中国問題」が、米国のみならず世界の自由と繁栄を覆しかねない極めて深刻な問題だという認識が示されていないことだ。同盟国日本はバイデン氏に、対中抑止を最優先するよう説くべきである。」

●=簾の广を厂に、兼を虎に

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