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【主張】ワクチン安定供給 日米主導で協調実現せよ

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産経新聞

 新型コロナウイルスのワクチン供給が世界的な課題となる中、中国が東南アジアやアフリカなどに低価格で自国製を提供する「ワクチン外交」を展開している。

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 バイデン米大統領就任後初めての日米首脳の電話会談を踏まえ、菅義偉首相は、新型コロナ対策で日米が協力し、立ち向かっていくと強調した。

 ワクチンを全世界に安定して供給するため、国際協調をいかにして実現するか。ワクチンを配分する国際的枠組み「COVAX(コバックス)」の活用を含め、日米が主導し、国連や先進7カ国(G7)などで議論を進めたい。

 無秩序にワクチン争奪戦が繰り広げられる事態は絶対に避けなければならない。

 中国の王毅国務委員兼外相は1月、東南アジア諸国連合(ASEAN)加盟4カ国を歴訪し、中国製ワクチンの提供など新型コロナ対策での支援を約束した。

 感染拡大が深刻なインドネシアは、王氏の訪問とあわせるように、中国製ワクチンの緊急使用を許可し、ジョコ大統領が接種の第1号となった。

 ASEANへの影響力を広げようという中国の意図は明らかだ。それが分かっていても、支援を手に入れたいと考えるのが新興国、途上国の現実である。

 昨年6月、国連人権理事会で、中国の香港国家安全維持法に日欧など27カ国が懸念表明したのに対し、途上国など50カ国以上が支持したことを想起すべきだ。

 自由や民主主義を唱えるだけでは、経済力を背景とする中国の覇権主義に対抗できない。途上国の役に立つ質の高い支援を打ち出していかねばならない。

 中国製ワクチンは、米英の製薬大手と違い、臨床試験の詳細なデータが公表されていない。米英大手のワクチンを先進国が独占し、途上国が中国製や、やはりデータ公表不十分のロシア製に頼る状況は健全とはいえない。

 河野太郎規制改革担当相はオンライン会合「ダボス・アジェンダ」で、ワクチン供給について「国のリーダーが話す必要がある」と呼びかけた。日本が提案し、具体化してもらいたい。

 ワクチン接種は、供給が確保されれば事足りるものではない。「3密」を避け効率的に接種を進める。その手本を示すのも、日本の役割と考えたい。

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