記事詳細

【話の肖像画】歌舞伎俳優・中村鴈治郎(61)(4) 「おちょやん」と「半沢直樹」

更新
産経新聞

NHK連続テレビ小説「おちょやん」の一場面。右から大山鶴蔵役の中村鴈治郎さん、片金平八役の六角精児さん、竹井千代役の杉咲花さん(c)NHK 1/1枚  ■「おちょやん」と「半沢直樹」

 《近年、歌舞伎俳優のテレビドラマへの出演が増えている。かつてはNHK大河ドラマのような歴史ドラマや時代劇がほとんどだったが、「半沢直樹」(TBS系)での片岡愛之助さんや市川猿之助さん、香川照之(市川中車)さんらの強烈な演技が評判を呼び、スーツを着るようなドラマにもどんどん出演するようになった》

<< 下に続く >>

 撮影に入る前のことなのですが、私が出演しているNHK連続テレビ小説「おちょやん」の脚本が、「半沢直樹」を書かれた脚本家の方だとうかがったので、「これは見なあかん」と思って、昨年放送された第2シリーズを見たんです。というのも、8年前のドラマは見ていなかったんですね。舞台があると、なかなか連続ドラマは見られないんですよ。ですから、愛ちゃん(片岡愛之助)のおねぇキャラも、倍返しも知らなかったんです。

 でも今回は絶対見なきゃ、と思って一生懸命全話見たのに、私が見た第2シリーズは、脚本が違う人だったんです。

 でもドラマにはすっかり影響を受けましたよ。自分も「半沢直樹」の演技のように、“顔芸”やら声を張って絶叫するやら、濃い演技になっています。NHKの連続テレビ小説とは思えない演技で、これでいいのかなあと、内心思っています。

 《「おちょやん」にはさまざまなジャンルから個性豊かな俳優が出演している》

 おもしろいですよ。演劇関係の人も多いですしね。松竹新喜劇の代表、渋谷天外さんをはじめ、劇団の人もたくさん出てはる。星田英利さんや板尾創路(いつじ)さんら吉本興業に所属しているお笑いタレントさんもいらっしゃる。なかなか吉本の方々とお芝居する機会がありませんので、新鮮ですし、とても刺激になりますね。彼らは本当におもしろい演技をされます。

 京都の撮影所に造られた大正時代の道頓堀のセットがよくできていたらしいんですよ。当時の道頓堀は、歌舞伎や喜劇を上演する劇場や芝居茶屋、飲食店がズラリと立ち並び、それはにぎやかだったそうじゃないですか。上方歌舞伎の役者としては、セットであっても当時の雰囲気を体現したい。私のシーンは社長室ばかりだったので見られなかったのです。それで、昨年9月某日にセットを見に行こうとしたら、スタッフの方に、「すみません、今日、取り壊しなんです」って言われましてね。1日遅かったんですよ。それは残念でした。

 《歌舞伎俳優がドラマに出演してお茶の間に顔を知られることは大切だという》

 テレビで見た、あの俳優が出ているのなら、一度、歌舞伎を見に行こう、ということも多いと思います。ただ、大河ドラマや連続テレビ小説などは1年間とか半年間とか放送されますのでスケジュールが大変で、どうしても歌舞伎の舞台が少なくならざるを得ない。でも、外のお仕事というのは自分自身への刺激にもなります。もちろん、本業の歌舞伎が第一ですが、ときにはドラマに出させていただくことも大事ですね。(聞き手 亀岡典子)

ピックアップ

    注目ニュース

      アクセスランキング

      iza! ソーシャルメディア公式アカウント

      • twitter
      • facebook
      • iza!を読む
      ×