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【主張】長男の接待疑惑 首相が自ら説明を尽くせ

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産経新聞

 放送行政などを所管する総務省幹部らが、菅義偉首相の長男から接待を受けていた。長男は放送事業会社の東北新社に勤務しており、同社子会社は衛星基幹放送事業者の認定を受けている。

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 国家公務員倫理規程は国家公務員が利害関係者から高額接待を受けることや、金銭や物品の贈与を受けることを禁じている。

 長男の接待は規程に違反する可能性が濃厚で、総務省が調査している。秋本芳徳情報流通行政局長は衆院予算委員会で、菅氏の長男らと会食した事実を認め、会食費は事後に返金したと説明した。

 総務省によると、谷脇康彦総務審議官ら計4人が昨年、東北新社から複数回接待を受けたことを認めた。国家公務員は割り勘でも、1人当たりの金額が1万円を超えると届け出なくてはならない。

 谷脇氏らは3日までに届け出を提出した。届け出が遅れた理由については「利害関係者との認識がなかった」と説明しているのだという。到底、信じ難い。

 長男は菅首相が総務相時代に政務秘書官を務めていた。同省幹部らとの面識は当時からあったとみられる。元総務相秘書官、首相の長男の威光を背景とする接待であると疑われて当然である。

 菅首相は衆院予算委で「長男とはほとんど会っていない。完全に別人格だから、そこはご理解いただきたい」と述べた。

 この釈明は通るまい。

 所管官庁の許認可事業に関わる接待疑惑である。肉親が関与していれば、首相の政治責任も問われるのは当然だろう。

 菅首相はまた、「全体像は掌握している。確認した上でルールにのっとって対処される」とも述べた。長男とは電話で話し、調査に協力するよう伝えたという。

 だが調査を総務省任せにしていいのか。疑惑の目は当然、元秘書官から利害関係のある社への就職の経緯にも及ぶ。総務省が速やかに調査結果を公表すべきはもちろんだが、首相もていねいな説明を尽くすべきだ。

 疑惑の発端は、週刊文春の報道だった。毎週のごとく、週刊誌報道に対する釈明に追われる政権のありようは惨めである。

 新型コロナウイルス禍への対処に全力をあげなければならないこの時期に、情けないではないか。まず迅速で真摯(しんし)な対応を、国民は注視している。

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