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【主張】旭川医大問題 患者不在の「白い巨塔」か

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産経新聞

 新型コロナウイルス禍の最中、地域医療のリーダーとなるべき国立医大で何が起きたのか。旭川医科大学が、同大学病院の病院長を解任した。コロナ感染者の受け入れを訴える病院長と学長の対立があったとされる。

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 文部科学省に透明性ある早急な調査と解明を求めたい。

 旭川医大をめぐっては、昨年11月の学内の会議で、学長がクラスター(感染者集団)が発生した市内の民間病院について「コロナを完全になくすためには、あの病院が完全になくなるしかない」などと不適切な発言をしたとされる。週刊文春が報じた。

 病院長の解任理由は、会議を録音して外部に漏らしたことや、マスコミの取材を受け学内を混乱させたことだという。病院長は漏洩(ろうえい)の証拠はないといい、感染者受け入れを求めた際「その代わりおまえがやめろと言われた」と辞任を迫られたと主張している。

 学長は、コロナ感染者の受け入れ拒否について病棟の準備が整わなかったなどと説明している。解任について調査は十分行い、議論は尽くしたという。

 両者の言い分は食い違う。

 萩生田光一文科相は「善しあしを述べる立場にない。道民や患者に不安を与えるので冷静に対応してもらいたい」としたが、それでは「白い巨塔」への不信が募るだけではないか。

 旭川市は昨年、市内複数の病院でクラスターが発生した。医療が逼迫(ひっぱく)し、自衛隊の看護官らが支援のため出動する事態となった。

 クラスターが発生した病院に勤務する職員の子供が、旭川医大病院に診療を断られたとして学長が提訴される問題も起きている。

 大学が組織統治不全に陥っているなどとして、学長の辞任を求める署名活動も行われている。病院長解任は適正だったのかを含め、文科省は、大学任せにせず調査を主導すべきだ。

 昨年には北海道大学の学長が解任される問題が起きている。学長のパワーハラスメントなどの問題が発覚後、休職して学長不在が1年半にわたった末だった。

 大学改革で学長の役割が増し、権限強化が図られ、学外識者を入れた学長選考会議が適切な人材を選ぶ制度となった。

 それが機能し、適正な運営ができているのか。事は旭川医大だけの問題ではない。

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