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【主張】テレワークの普及 中小企業への支援充実を

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産経新聞

 新型コロナウイルスに対応した緊急事態宣言の発令に伴い、政府は産業界に「出勤7割削減」を求めている。だが、朝夕の通勤時間帯の混雑は、昨年春の宣言時よりも減少していないようだ。

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 各企業にはテレワーク(在宅勤務)や時差出勤の徹底を通じ、出勤の削減や通勤混雑の緩和に努めてほしい。出勤者を削減すれば通勤や会食の機会が減り、それだけ社内から感染者を出すリスクを低減できる。

 中小企業がテレワークに移行できるようにする支援が不可欠だ。すでに東京都などは通信環境の整備などへ支援措置を講じている。政府は地元企業を助成する自治体を積極的に支援すべきだ。

 政府や自治体は、経団連などの経済団体にテレワークや時差出勤の徹底を要請し、大手企業では本社部門を中心にテレワークが広がっている。経団連はテレワークの実施状況を調査することにしている。着実な実施に向けて課題の洗い出しに努めてほしい。

 内閣府が昨年12月に実施した調査によると、テレワークの導入率は東京23区内で42.8%にのぼったが、全国平均では21.5%にとどまっている。業種別では情報通信産業の導入率が高いが、対面サービスが中心の小売りや医療・福祉などは低い。業務内容を見直して着実な導入を図りたい。

 産業界全体にテレワークを普及させるには、実施率が低い中小企業にも導入を促すことが重要だ。商工会議所の調査では「通信環境の整備が負担」とする回答が多い。自治体はインターネットの通信環境整備やパソコンの支給などで中小企業を支援してほしい。

 大手企業ではサテライトオフィスを設ける動きもある。都心郊外などに通信環境が整った事務所を設け、社員が本社まで出勤しなくても業務ができる仕組みだ。複数の企業が共同でサテライトオフィスを構えるなどの広がりもみせている。中小企業でもこうしたオフィスを利用できるような工夫も講じたい。

 テレワークによる働き方を整備すれば、今回のコロナ禍に対応した出勤削減だけでなく、台風や大雪などの際にも社員が出勤せずに業務を円滑に継続できる。これは自治体が災害に備えて企業に策定を求める事業継続計画(BCP)にもつながる取り組みであることを認識したい。

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