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【主張】コロナ変異種 国主導で市中感染対策を

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産経新聞

 感染力が強いとされる新型コロナウイルスの英国型変異種の市中感染が疑われる事例が、静岡県に続き東京都でも確認された。

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 静岡県の川勝平太知事は19日に、県独自の「感染拡大緊急警報」を出した。政府も「緊急事態」に相当する強い危機感を持って、変異種の市中感染対策に万策を尽くすべきだ。

 英国型変異種の感染が確認されたのは、海外渡航歴のない10歳未満から60代までの男女で、変異ウイルスが持ち込まれた経緯は分かっていない。

 市中感染のリスクは、人口と感染者数、とくに経路不明の感染者数に比例して高くなる。確認された変異種の感染例はいずれも「面的な広がりはない」とみられているが、大都市圏を中心に、水面下で変異ウイルスの市中感染が進行している可能性がある、と認識すべきだ。

 政府はすでに実施している水際対策の徹底とともに、全国規模で変異ウイルスの検査体制強化を急ぐ必要がある。検査による「見える化」はウイルス対策の第一歩である。

 市中感染抑止の観点からは、無症状や軽症の感染者の自宅療養が急増している現状を、抜本的に改めることが不可欠である。

 昨年の大型クルーズ船での集団感染では、内閣官房や厚生労働省の事務職員もウイルスを防ぎ切れずに感染した。一般家庭での感染防御が非常に困難なのは明らかだ。自宅療養は、隔離が不完全な小さなクルーズ船のようなもので、市中感染の種をまき散らしているのと同じといえる。

 ホテルなど宿泊施設での療養の原則徹底や入院先の確保は、これまでも再三指摘されながら、政府や自治体が実効性を伴う施策を行ってきたとはいえない。自宅療養中の感染者が亡くなる事例が続出している。感染力の強い変異ウイルスは、自宅療養が引き起こすさまざまな問題を、さらに深刻化させる恐れがある。

 これまでのような自治体任せでは、抜本的な改善はできない。政府が責任を持って、全国規模で感染者のための宿泊施設を確保し、医師、看護師の配置などの体制整備を主導すべきである。

 変異ウイルスの市中感染拡大に備えるために、感染症対策の基本である「検査」と「隔離」を徹底する強い施策が必要だ。

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