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【主張】バイデン次期政権 「自由の海」へ決意を示せ

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産経新聞

 米連邦議会議事堂が一時占拠されるという前代未聞の事件を経て、ようやく米政治の混乱は収束に向かいそうだ。バイデン氏の大統領当選が確定し、上下両院の勢力図も決まった。

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 バイデン次期大統領に急ぎ聞きたいのは「国際協調」に転換するという外交・安全保障政策を具体的にどう進めていくかだ。

 オバマ政権は「リバランス(再均衡)」を掲げ、アジア重視を表明したが、行動が伴わなかった。副大統領を務めたバイデン氏には同種の懸念がつきまとう。

 議会上院は、バイデン氏の民主党が南部ジョージア州の2議席を争った決選投票で2勝し、主導権を奪還した。下院も民主党が多数派を維持している。

 ただし、下院での共和党との議席数の差はわずかである。上院は50議席ずつの同数であり、賛否同数の場合の副大統領の1票を得て過半数となる。

 ベテラン政治家のバイデン氏に望みたいのは、外交・安全保障分野で超党派の協力を取り付け、力強く政策を遂行することだ。

 トランプ政権の政策でも、継続すべきは継続しなければならないし、党内左派に配慮し内向きになっては困るということである。

 バイデン氏は昨年暮れの外交政策演説で、中国の不公正な貿易慣行や人権侵害を批判し、中国と対抗するため同盟国との関係を強化すると表明したが、まず国内が一丸となることが、その前提だ。

 米議会はこれまで超党派で中国に厳しい姿勢を貫き、中国企業の上場廃止を可能とする「外国企業説明責任法」の成立などで足並みをそろえている。

 バイデン氏は中国についてとくに、ウイグルや香港での人権侵害に熱心だが、中国の非はそれだけにとどまらない。東、南シナ海での強引な海洋進出の動きにもっと目を向けるべきだ。

 物足りないのは、日米豪印が中心となり実現を目指す「自由で開かれたインド太平洋」構想への言及がほとんどないことだ。中国の海洋覇権阻止のための有効な概念であり、強力な枠組みである。

 菅義偉首相との電話協議で、バイデン氏は「繁栄し安定したインド太平洋」と語ったとされるが、「自由で開かれた」でなければ中国への牽制(けんせい)にならない。日本が提唱した構想である。日本政府の方から積極姿勢を促すべきだ。

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