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【主張】往来制限の緩和 感染再燃時の即応態勢を

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産経新聞

 新型コロナウイルス対策を講じつつ、経済再生を図ろうと、政府が人の往来制限の緩和に乗り出した。

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 10月以降、水際対策を緩和し、私費留学生や医療、スポーツ関係者といった中長期滞在者の入国から、全世界との往来を再開していく。

 消費喚起策の「Go To キャンペーン」は、10月1日から観光支援の「トラベル」の対象に、東京発着の旅行を追加する。同月中旬以降、「イベント」と「商店街」を支援する事業も始める。

 コロナ禍の影響で日本の経済状況は逼迫(ひっぱく)している。国内外で人の動きが限定されたままでの再生はおぼつかない。重症者数などの感染状況が落ち着きをみせている今、社会経済活動を戦略的に取り戻す政策は必要である。

 来夏に開催予定の東京五輪・パラリンピックを成功させるためにも、人の移動に関する成功事例を積み上げたい。

 ただし、細心の注意を払わなくてはならない。新規感染者数の減り具合は鈍化している。東京、大阪、愛知の大都市圏では再び増加傾向もみられる。欧州からは再流行の兆しが伝えられる。

 なにしろ新型コロナは、人類にとって、未知の敵だ。11、12月に再びウイルスが凶暴化する懸念がある。これさえ実際に冬を待たなくては結果は分からない。

 肝要なのは、感染の急増など、あらゆる事態に柔軟に即応できる態勢づくりである。

 危機に際しての決断に逡巡(しゅんじゅん)、遅滞は許されない。再び感染防止を最優先させる事態への転換もあり得る。専門家らの意見を集約した上で最終的に決断するのは、菅義偉首相の役目である。

 主要空港などにおける水際対策の徹底、PCR検査の拡充、宿泊療養施設の維持、医療機関への経営支援などの重要性は今後も変わらない。ワクチンの接種には国と地方自治体との役割分担を明確にし、財政措置も講じておく必要がある。

 菅首相が先送りを表明している新型インフルエンザ等対策特別措置法の改正も急ぐべきである。

 「3密を避ける」といった感染予防の啓発も力を入れ続けなくてはならない。

 コロナ禍に打ち勝ち、経済活動を再生するには、国民の協力が不可欠である。

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