記事詳細

【主張】携帯料金値下げ 家計助ける成果をあげよ

更新
産経新聞

 携帯電話料金の引き下げを目指す動きが本格化してきた。菅義偉首相は武田良太総務相に対し、料金引き下げで具体的な結論を出すように指示した。武田氏は「1割程度では改革にならない」などと述べ、大手通信会社に大幅な引き下げを促す考えを示した。

<< 下に続く >>

 菅氏は官房長官だった2年前に「携帯料金は4割値下げする余地がある」と指摘し、料金引き下げに意欲を示していた。その後、一定の値下げはあったものの料金水準は高いままだ。

 スマートフォンなどの普及に伴い、通信費の家計負担は増している。菅氏がかねて懸案として取り組んできた政策だけに目に見える具体的な成果を早急に示してもらいたい。

 総務省が今年3月時点で比べた世界6都市のスマホ通信料金によると、データ容量が大きい契約では東京が最も高く、ロンドンの約3倍にのぼった。こうした料金の高止まりは寡占が原因である。日本ではNTTドコモなど大手3社が約9割にのぼるシェアを握っている。

 このため、武田氏は「諸外国では競争を通じて通信料金を下げている」と強調し、日本でも新規参入などによる競争を促す考えを示している。格安スマホに契約を変更しやすい市場環境を整備するなどの後押しが欠かせない。大手による回線利用料の引き下げも重要である。

 昨年秋には電気通信事業法を改正し、端末代金と通信料金の分離義務化や2年縛り契約の解約金引き下げなどを実施した。楽天による新規参入も認可したが、実感できる料金引き下げが実現していないのは問題だ。武田氏は市場を総点検し、具体的な値下げにつながる課題を洗い出してほしい。

 同省の家計調査によると、2人以上世帯の携帯料金は、昨年で約12万7千円と10年前より3割以上も増加している。動画視聴などで使用する通信量が増えているのが大きな要因だが、家計負担は重くなるばかりだ。通信料金が下がれば家計の負担が軽減され、個人消費の活性化も期待できる。

 もちろん大手3社による企業努力も不可欠だ。3社は今年3月期連結決算でも巨額の営業利益を稼ぎ出した。コロナ禍でも高い収益を生み出しているだけに、各社が独自に料金引き下げに取り組む姿勢も厳しく問われている。

ピックアップ

    注目ニュース

      アクセスランキング

      iza! ソーシャルメディア公式アカウント

      • twitter
      • facebook
      • iza!を読む
      ×