顧客の "いま" を把握し、最適なカスタマーサクセス活動を支援する、CustomerCore(カスタマーコア)。カスタマーサクセスに必要なあらゆるデータを統合・可視化し、顧客の状態変化をシステムで捕捉。CustomerCore(カスタマーコア)は顧客ロイヤルティを高める活動を支援するWebシステムです。

CustomerCore(カスタマーコア)の事業責任者を務める内木場 健太郎は、当社にてクリエイティブ業務からキャリアをスタートしました。広報宣伝部門、マーケティング部門の立ち上げ、ホスティング事業責任者を経て2019年よりカスタマーサクセス支援システム「CustomerCore」の事業開発をしています。サブスク型/ストック型ビジネスの20年以上の経験をもとに、さまざまなBtoB企業のカスタマーサクセス活動の効率化を支援してきました。

「カスタマーサクセス」を詳しく知っている人は、まだ少数派

カスタマーサクセス元年」と言われた2018年から4年。カスタマーサクセスという言葉を耳にする機会は増えたものの、詳しく知っている人はまだまだ少数派です。 株式会社リンク(本社:東京都港区)では、カスタマーサクセス支援ツール「CustomerCore(カスタマーコア)」を提供しています。「CustomerCore」は、効率的なカスタマーサクセス活動を実現するための “カスタマーサクセスツール” です。 あらゆる顧客情報やメール等のコミュニケーションデータを集約し可視化するとともに、システムがそれらのデータを自動巡回します。いままで捉えることが難しかった顧客の細かな変化をシステムが自動検知することによって、優先すべき顧客、 “いま” 対応が必要な顧客を見つけやすくなります。

 

同社マーケティング部長の内木場健太郎が、カスタマーサクセスを正しく理解するために、カスタマーサクセスの第一人者であるバーチャレクス・コンサルティング株式会社の森田智史さんにお話を伺いました。この記事では、対談の内容をご紹介します。

(LINK Watch!編集部)

注目が集まるカスタマーサクセスってなに?

 内木場:ここ数年、ITやSaaSの業界を中心にカスタマーサクセスが注目を集めています。ところがカスタマーサクセスという言葉は浸透してきているものの、「カスタマーサクセスがどういうものか」という理解はまだまだ十分ではないように感じています。そこで、カスタマーサクセスのバイブルとも言うべき『カスタマーサクセス――サブスクリプション時代に求められる「顧客の成功」10の原則』という本(表紙が青いことから通称「青本」と呼ばれる)の翻訳者でもある森田さんにいろいろと教えてもらいたいと思っています。どうぞよろしくお願いします。

 

そもそもカスタマーサクセスという考え方はどこから始まったのでしょうか?

 

森田:「カスタマーサクセス」という概念を最初に提唱したのは、アメリカで顧客管理ソリューションシステムを提供する最大手の企業だと認識しています。これまでソフトウェアはお客さまに1本1本販売していく売り切り型が当たり前でした。その会社は、一早く2000年代の初頭にSaaS、いわゆるサブスクモデルでソフトウェアをサービス提供するスタイルに切り替えました。今でこそソフトウェアをSaaSで提供するのは当たり前になっていますが、当時としては画期的でした。そのためスタート当初はなかなかうまくいかず、顧客を獲得しても解約が多かったそうです。言ってみれば、穴のあいたバケツにずっと水を入れ続けている状態。これでは水は溜まりません。そこでこの穴をふさごうとカスタマーサクセスという機能をつくったと聞いています。ただ、これには諸説あるようですけど……(笑)。それが日本に入ってきたのが2018年頃、ちょうど青本が発刊された年になります。この年が日本では「カスタマーサクセス元年」と呼ばれ、それから徐々に広がりつつあるというのがこれまでの流れです。

 

内木場:私も2018か19年頃にその会社の方からカスタマーサクセスについてお話をうかがいました。リンクはホスティングサービスやBIZTELというIP電話サービスの分野で10年以上サブスクをやってきている会社ですので、その考え方にすごく共感したのを覚えています。カスタマーサクセスが日本で注目を集めるようになったのは、サブスクビジネスが増えてきたことと関係がありますか?

 

森田:おそらくそうだと思いますが、もう一つ、日本は世界的に見て少子高齢化がもっとも進んでいるマーケットということもポイントです。人口が減少していく市場では、新規顧客を獲得してサービスや製品を販売することだけで成長することが難しくなってきています。となると、従来の新たなお客さまを見つけモノ(製品)を売って届けて終わりという考え方から離れ、獲得したお客さまといかに長く付き合いを続けられるかが重要になります。そういった背景もあって、カスタマーサクセスの必要性が高まってきているという面もあると思います。

森田:私は、DXとは顧客起点化だと思っています。お客さまと向き合って、そのお客さまの不平・不満など、ペインを解消しながら、お客さまが求めている価値を提供できるか、提供し続けることができるのかという問いに向き合い続けるのがDXの本質ではないでしょうか。その本質に気付き対応できた会社が伸びているのがここ20年の世界だと思っていて、グローバルでいえばGAFAMに代表されるテック・デジタル企業がまさにそれに当てはまります。

お客さまに選ばれ続けるべくDXをやるとなったときに、お客さまとつながり続けるためにサブスク化というビジネスモデルがあり、サブスクを継続してもらうためには、カスタマーサクセスというものが必要だという認識が本来あるべきなんです。それを論理的に考えられている人もいれば、直感的に感じている人もいました。その概念を言葉で表現したのがカスタマーサクセスだと思います。

 

内木場:青本の中で「カスタマーサクセスとは、自社の成功のために顧客をサポートするという考え方ではなく、顧客の成功を第一の目的とする」ことであると書かれています。そのためには「受動的・反応的に顧客をサポートするのではなく、積極的に顧客の成功を設計する。それぞれの顧客がどのような状態にあるか、自社の製品やサービスをどのように利用しているかをデータで把握し、積極的に働きかけて、顧客をよりよい状態に導く」必要があり、「こうした取り組みによって成功を得られた顧客は継続顧客となり、継続顧客から得られる定期収益が自社に成功をもたらす。カスタマーサクセス部門が全社を牽引して顧客を成功に導き、サブスクリプションエコノミーにおける成功のカギである定期収益の拡大を推進する」という結果につながると述べています。

 

私自身もカスタマーサクセスという言葉を聞く前から、既存のお客さまとの関係の構築や長く使っていただくための施策というものは意識していましたし、お客さまの状況を把握して新しいソリューションの営業をかけるというような動きは当然やっていました。でもそれが会社として組織化されていたか、施策としてやっていたかというとやはり不十分だったわけです。先ほどバケツの穴というお話がありましたけど、カスタマーサクセスという言葉をきっかけに、漏れ続けている穴をしっかりふさいがなくてはいけないとはっきり認識した会社が増えたと思います。ただ、日本ではまだまだ浸透していません。欧米ではどの程度広まっているのでしょうか。

 

森田:アメリカでは、いわゆるカスタマーサクセスマネージャーが人気上位の職種になっています。データサイエンティストと並ぶくらい注目されている職種なので、一過性のブームではなく普遍的なものと言えます。青本の原本の出版元であるアメリカのゲインサイト社は、カスタマーサクセスソフトウェアを提供するSaaSの事業者ですが、ここの前CCO(Chief Customer Officer:最高顧客責任者)の方と以前お話した際、アメリカの次はヨーロッパ、その後はオーストラリアや日本、そしてアジア各国という順で市場が形成される、されつつあるというお話を伺いました。

結局、カスタマーサクセスを牽引しているのが、今のところはITやSaaSの会社なので、そういった企業が多い国、市場はカスタマーサクセスが広がって行くスピードも速いということだと思います。リンクさん含めカスタマーサクセスソフトウェアを提供している企業が増えつつある昨今、日本においても徐々に浸透してきている気がします。最近ではB2B×IT・SaaS企業以外にも、B2C系の大手企業でもカスタマーサクセスに取り組む企業が増えてきているので、今後どんどん増えていくと考えています。日本の大企業は一定横並びというか、競合他社の動向を強く意識する傾向があるので(笑)。

カスタマーサクセス実現に必要なのは『サイエンス』と『アート』

内木場:カスタマーサクセスとカスタマーサポートを同じものと考えている人が多いですが、この違いを森田さんはどう説明していますか。

 

森田:下の図を見ていただけると分かりますが、カスタマーサクセスというのは一層ではなく多層的なものなんです。ところがみなさんは一番下の層である、組織・分野・業務の部分だけを想像します。だから「カスタマーサクセスとカスタマーサポートって言い方が違うだけでしょう?」という話が出てきてしまうのですが、この2つを比べること自体、ナンセンスです。

森田:カスタマーサクセスというのは、本来、組織や分野・業務だけの話ではなく、コンセプトから現場のオペレーションまですべてを含めて成立するものです。コンセプトや思想としての、カスタマーサクセスがベースにあり、そこを踏まえた上でこういうことをやっていくぞ、という取り組み施策みたいなものがあって、それを実際に体現する機能として、組織なり業務があるという構造です。

そのためにはカスタマーサポートやカスタマーサクセスという業務をどのように運営すればいいかという話もあれば、その業務を担当する従業員をどのように育てていくかという論点もあります。さらには、要望をくみ取ってお客さまが求めているものを製品に反映させることも必要かつ重要です。すべてが全社的にハーモナイズされた状態で提供されてはじめて、本質的なカスタマーサクセスが実現できます。

もちろんサポートなくしてサクセスは成立しないし、サクセスの思想なくして十分なサポートも成立しません。サポートというのは基本的にお客さまが感じている不快な部分をなくしていく作業です。これはこれですごく大事なことですよね。特に日本人はマイナスな感情に対する感度が高いという調査結果もあります※ので、これを解消するサポートをしっかりとやる。その上で、プラスαとしてサクセスを届ける。この順序性で両方を充足することが、お客さまに選ばれ続ける上で非常に重要だと思っています。

 

※参考:アメリカン・エキスプレス・インターナショナル, Inc.発表資料

 

内木場:カスタマーサクセスの導入時に、経営層は「上のコンセプトを決めるところからスタートだ」と言うし、現場は「組織をどうする?どういう取り組みをする?」となって結局何をしたらいいのか分からないという話をよく耳にします。そういう話を聞くとどちらか一方で始められるものではなく、全社として取り組まないと実現しないのに……と感じます。

 

森田:内木場さんもお客さまと向き合っている時に感じられていると思いますが、「カスタマーサクセスという名前が付いているけどやっていることが全然サクセスじゃない」とか、「カスタマーサクセスという名前は付いていないけど、サクセス的なことにちゃんと取り組んでいる」ということもありますよね。結局これは、会社がベースとなるカスタマーサクセス的な思想や文化をちゃんと持っているかどうかが大きいと思います。

内木場:先ほどもお話しした通り、カスタマーサクセスの特徴として「自社の利益を伸ばすためにお客さまの満足度を上げるのではなく、自社の利益よりも顧客の成功を目標とする」という考え方があります。果たしてそれでビジネスが成り立つのかと疑問に思う人もいますよね?

 

森田:これも議論の前提が間違っていて、成り立たせるではなく、「それをやらないと選ばれない」と発想転換をしなくてはいけないと思います。もちろん、慈善事業ではないので赤字を出してまでお客さまに寄り添うべきということではありません。

青本の中にはカスタマーサクセスの10の原則が書かれています。一番最初にあるのが「正しい顧客に販売しよう」というものです。ビジネスの面でいうと、重視しなくてはいけないのはLTV(顧客生涯価値)の最大化です。LTVは売上ではなく利益で考えることが大切です。例えば、極端な例ですが、お客さまであるA社は売上が5,000万円もあるけれども、そこに向き合うのに年間5,500万円かかります、そうなると500万円の赤字です。一方、B社の売上は500万円なんだけどコストは200万円で済みます。どちらが自分の会社としての正しい価値を届けるべきお客さまなのかというと、B社になるわけです。

こぼれていくべきお客さまはこぼれてしまってもいいと思います。でも、こぼしてはダメなお客さまとは徹底的に向き合う。結局これも届けたいお客さまのサクセスが何なのか、それを自分たちが普遍的に提供しているサービスが実現できるか、そのコンセプトをしっかりと持っているかどうかだと思います。

 

内木場:本当にそう思います。リンクでも『CustomerCore(カスタマーコア)』というカスタマーサクセスソフトウェアを提供しています。カスタマーサクセスソフトウェアというのは、テクノロジーを駆使して、今まで分からなかったお客さまの動きが見えるようにし、そのデータを使って優先すべきお客さまや、今対応が必要なお客さまを検知し、タイムリーかつプロアクティブなカスタマーサクセス活動を実現するものです。

お客さまのなかには、ツールを導入すればそれでカスタマーサクセスができると思っている方もいらっしゃいます。実際に導入に向けて話が進んでいても、カスタマーサクセスの魂となる思想やコンセプトがないと、結局ツールを十分に使いこなせずに終わってしまいます。

 

森田:我々コンサルティング会社バーチャレクスでは、「サイエンス」と「アート」というワードを使って表現しています。

ここでいう「サイエンス」とは、主にカスタマーサクセス実践における仕組みを指しています。そして、まさに内木場さんがおっしゃったカスタマーサクセスの魂となる思想やコンセプトが「アート」にあたります。

企業がお客さまに選ばれ続けるためには本当に良いサービスを提供し続けなければなりません。そしてその根底には、企業が大切にしたい、お客さまに届けたい想いが脈々と込め続けられている必要があります。これはまさに、芸術家が自分の作品を通じて世界観を表現するのと同様で、カスタマーサクセスにおける「アート」と言えます。どれだけ自社の哲学をお客さまに理解してもらうか、どれだけ時代に即した形にブラッシュアップしていけるかが鍵になります。

そして、その「アート」がどれだけ正しくお客さまに伝わっているか、伝えるためにどうするか。属人的にではなく企業・組織全体として、再現性を持ってお客さまを解像度高く理解し向き合い続ける。そのための、いわば、科学的な業務運営の仕組みがカスタマーサクセスにおける「サイエンス」です。お客さまとの日常的なコミュニケーションのプロセス・ルール、そこで用いるテクノロジー・ツール、それを担う組織・従業員など、仕組みを構成する要素を「アート」と同期しつつ最適化し続けることが必要不可欠です。

「サイエンス」のない「アート」というのは”絵に描いた餅”になるし、逆に「アート」のない「サイエンス」は”仏造って魂入れず”のようになってしまうと思うので、カスタマーサクセスにおいては、「サイエンス」と「アート」、その両輪を同時に回すことが非常に重要です。それができて初めて真のカスタマーサクセスが実現できるのではないでしょうか。

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