G7外相会合 米欧に「対中国」で温度差 経済依存の脱却は難題

 【ロンドン=板東和正】G7外相会合で最大の焦点となる中国をめぐっては、G7参加国の間にも温度差がある。欧州連合(EU)は新疆ウイグル自治区での人権侵害などについて対中姿勢を厳しくしつつあるが、中国との経済関係を重視する立場から米国と歩調を一つにするには至っていない。

 EUは4月19日のオンライン外相会合で、EU共通のインド太平洋戦略を策定する方針で合意した。すでにフランスやドイツ、オランダが中国の海洋進出を念頭に独自のインド太平洋戦略を発表している。EUとしても、「自由で開かれたインド太平洋」を掲げる日米と協力を進める姿勢を示した。

 EU外相らはまた、3月にウイグル族への人権侵害をめぐって中国当局者4人と1団体に対する制裁発動を決め、米国の対中圧力に同調する動きを見せた。EUはしかし、バイデン米政権とともにウイグル族弾圧を「ジェノサイド(民族大量虐殺)」と認定することには慎重な姿勢だ。

 EU内ではドイツやイタリアが対中経済協力を重視しており、EUが全ての対中政策で米国と足並みをそろえるのは難しい。独自動車大手フォルクスワーゲンは販売台数の4割が中国向けとされる。メルケル独首相はEUによる3月の対中制裁発表後、「EUには独自の中国政策がある。米国と共通点は多くても、同じではない」と述べた。

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