中国・強襲揚陸艦の配備で「台湾有事」現実味 大型駆逐艦、原子力潜水艦の新造艦も 潮氏「日本も防衛策を議論すべきだ」

 中国人民解放軍の機関紙「解放軍報」は25日付で、中国初となる強襲揚陸艦など3隻の就役式が23日、習近平国家主席が出席して南部・海南省三亜(海南島)の軍港で行われたと報じた。台湾上陸や南シナ海での衝突を見据えたものとみられるが、沖縄県・尖閣諸島周辺海域に、中国海警局船が連日侵入している日本も厳重警戒すべきだ。

 強襲揚陸艦は、ヘリコプターや舟艇を用いて、強襲上陸作戦を行う艦のことで、中国艦は「海南」と命名された。

 2019年9月に進水し、20年8月に初の試験航海を行っていた。排水量は、約4万トンの米軍ワスプ級に匹敵するといい、海上自衛隊最大のヘリコプター搭載型護衛艦「いずも」の基準排水量(1万9500トン)を大きく上回るとみられる。

 強襲揚陸艦の配備は、台湾上陸や南シナ海での衝突を想定しているとみられ、対中圧力を増す米国など海軍力の増強を誇示したかたちだ。

 軍事ジャーナリストで評論家の潮匡人氏は「防衛白書ではこれまで、中国軍の着上陸侵攻能力を『限定的』と評価してきたが、今回の配備で深刻度は上がったと評価されるだろう。中国軍の台湾上陸も、専門家は着上陸侵攻能力の低さから『現実的ではない』とする評価も多かったが、今後は決めつけられない」と指摘する。

 中央軍事委員会主席でもある習氏は就役式で、艦長らに軍旗などを手渡し、武器装備などを視察した。この日は強襲揚陸艦のほか、大型の駆逐艦と、「晋」級戦略原子力潜水艦の新造艦も就役した。

 「台湾有事」は「日本有事」である。

 潮氏は「台湾への侵攻は、台湾本島の防衛力も踏まえて検討されている。沖縄県・尖閣諸島は無人島なので、島自体の防衛力でみれば、むしろ台湾より危険だ」「例えば、相手の射程圏外から攻撃できる長射程の『スタンドオフ・ミサイル』は、こうした離島防衛を踏まえて導入を検討されている。敵基地攻撃能力ではないかという批判もあるが、現実的な防衛策として議論されるべきだ」と強調した。

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