EU外相理事会 インド太平洋戦略策定で合意

 【パリ=三井美奈】欧州連合(EU)のオンライン外相会合は19日、EU共通のインド太平洋戦略を策定する方針で合意した。総括文書で、EUの利益を守るため、この地域の「戦略を定め、存在感や行動を強化する」狙いを表明した。

 総括文書は、中国の海外進出を念頭に、「法の支配」を守る重要性を強調。インド太平洋での安全保障や防衛について、地域のパートナー国との協力を進める意欲を示し、サイバー攻撃やテロ、組織犯罪などの課題を挙げた。

 また、英仏に続いてドイツ、オランダが今夏、インド太平洋にフリゲート艦派遣を計画していることを踏まえ、EU加盟国が「インド太平洋に艦船を派遣することの重要性」を確認。「航行の自由」の原則を維持し、海洋安保への監視を行うことの意義を明記した。人権問題や地球温暖化対策、貿易をめぐる地域協力の推進も打ち出した。

 総括文書は、中国についての直接の言及を最小限にとどめ、「多国間協調」を打ち出す内容になった。EUではハンガリーやギリシャなどが中国との経済協力を重視しており、中国を刺激することを嫌ったためとみられる。EU戦略の具体策については、ボレル外交安全保障上級代表が9月、文書で提案する見通し。

 EUでは昨年までに、フランスやドイツ、オランダがインド太平洋戦略を発表。EU共通の戦略については、来年前半にEU議長国となるフランスが策定に強い意欲を示していた。

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