ソウル・釜山市長選のきっかけはセクハラ 「女性」議論深まらず

 7日のソウル・釜山両市長選は当初、女性参画などの問題が争点になるとみられていた。ソウルでセクハラ行為を告発された与党系市長が自殺し、釜山でもセクハラで与党系市長が辞任したことに伴い実施されたためだ。だが、選挙戦で主要政党は不動産問題をめぐる攻防に終始し、女性問題の議論は深まらなかった。

 与党「共に民主党」は文在寅(ムン・ジェイン)大統領が党代表時代、党員の不祥事などに伴う選挙には候補者を擁立しないとする綱領を制定。しかし、今回の選挙が来年の大統領選に向けた前哨戦と位置づけられると、急遽(きゅうきょ)例外規定を設けた。候補者は自らに不利に働く前任者への言及を最小限に控えた。

 選挙戦突入の直前、韓国土地住宅公社職員らによる不正投機疑惑が浮上。最大野党「国民の力」は、より集票につながるとみる不動産問題での与党の責任追及に関心を集中させた。

 さらに、女性問題に意欲的とされ、両党候補を牽制(けんせい)する役割を担うとみられた革新系野党でも党首のセクハラが発覚。「第3の選択肢」が消える形となった。

 ソウル市長選には30代前半の女性候補が3人出馬し、「今回は前市長の性暴力事件を受けた選挙だ」などと強調。女性参画の専門部署新設や男女賃金格差の解消などを公約に挙げ、「少数政党や無所属の『フェミニスト』候補が空白を埋めた」(ハンギョレ紙)との見方もあった。しかし、候補者討論会の参加基準にも満たない「泡沫(ほうまつ)」扱いで、存在感は示せなかった。(ソウル 時吉達也)

アクセスランキング

もっと見る

ピックアップ