中国、対日改善意欲も海警法を正当化

 【北京=三塚聖平】中国は全人代期間中、五輪を通じた協力を呼び掛けるなど日中関係の改善に意欲を見せた。米国との対立の長期化が見込まれる中で、日本とは距離を近づけたい思惑があるが、日本側が懸念を示す海警法については正当化を続けるなど、安全保障面での強硬姿勢は崩していない。

 王毅国務委員兼外相は7日の記者会見で「中日関係の改善と発展は両国民の利益に合致する」と強調。夏の東京五輪、来年2月の北京冬季五輪を挙げて「両国民の友好を深め、中日関係の発展を促進する機会にできる」と意欲を示した。

 対日関係を重視する背景には米国の存在がある。中国を「最も手ごわい競争相手」と位置付けるバイデン米政権は、同盟国などと対中連携の強化を進める。オーストラリアや英国などとの関係も急速に悪化する中、中国は日本をつなぎ留めようとしている。

 一方で、王氏は日本社会に「客観的で理性的な対中認識を形成することを望む」と注文も付けた。日本の対中世論が悪化し、習近平国家主席の国賓訪日が日程調整も進まないことへのいらだちとみられる。

 だが、中国自身が対中感情の悪化を招いた側面には目をつぶる。王氏は、中国海警局(海警)に武器使用を認めた海警法について、「特定の国に対するものではない」と日本側の懸念を一蹴。海警は尖閣諸島(沖縄県石垣市)周辺の日本領海に侵入を繰り返しており、日本側に譲歩する気配はうかがえない。

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