香港 区議に「忠誠」要求へ 民主派大量失職も

 【台北=矢板明夫、北京=三塚聖平】香港政府は23日、地方議会に相当する区議会の議員について、中国の一部としての「香港特別行政区」に「忠誠」を求めるなどの条例改正案を発表した。従来は、行政長官や立法会(議会)議員らにだけ必要とされていた就任宣誓を区議にも拡大する。中国当局が求める「愛国者治港」(愛国者による香港統治)の制度整備に一足早く着手した形だ。

 改正案は3月17日に立法会に提出されるが、立法会は昨年11、12月の民主派の集団辞職で親中派が大多数を占めており、可決はほぼ確実。香港政府は改正条例の成立後、現職の区議にも宣誓を求める方針で、2019年の区議会選で圧勝した民主派区議の大量失職につながる可能性がある。

 現地報道によると、改正案では、立法会議員らの宣誓違反の内容も列挙された。「香港独立」への支持や外国に香港への干渉を求める行為などに加え、香港政府の提出議案に無差別に反対し行政長官に辞職を迫ることも違反となる。違反が認定されれば失職し、公職への立候補が5年間、禁止される。

 一方、中国共産党機関紙、人民日報系の環球時報(英語版)は23日、来月5日に開幕する全国人民代表大会で、香港立法会の選挙制度の見直しが審議されるとの見通しを示した。愛国的でない勢力を排除する内容になるとみられ、民主派の影響力をそぐとともに、中国当局による香港統治への関与を強めることになる。

 全人代の香港代表は「香港の選挙制度改正に関する詳細案が全人代で示されるだろう」と同紙の取材に対して答えた。9月に予定されている立法会選挙までに、民主派の排除に向けた選挙制度見直しを進める考えとみられる。

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