イラン、核検証の継続に合意 23日から抜き打ち査察停止も譲歩か

 【カイロ=佐藤貴生、ワシントン=住井亨介】イランの核合意の履行状況を検証してきた国際原子力機関(IAEA)のグロッシ事務局長は21日、イラン側高官らと会談し、同国が表明した通りに23日から「抜き打ち査察」の受け入れを停止する方針を確認したと述べた。ただ、IAEAとイランは受け入れ停止後も約3カ月間、「必要な検証と監視活動」を行うことで合意したとする共同声明を発表。イラン側が譲歩したとみられる。

 新たな合意に基づくIAEAの具体的な活動内容は不明。グロッシ氏は暫定的な措置で、査察の規模は縮小されると述べた。また、核合意維持のために「政治交渉が必要だ」と強調し、米・イランなど関係国の交渉進展に期待を示した。

 イランはバイデン米政権に対し、トランプ前政権が科した経済制裁の21日までの解除を求めたが、米側が応じなかったため、対抗措置として抜き打ち査察の受け入れを停止する方針。2015年の核合意に基づく「追加議定書」で規定されたもので、イランが受け入れを停止すれば未申告施設の査察ができなくなる。

 イランメディアによると、同国原子力庁は3カ月の間、核開発活動に関して収集したデータをIAEA側に引き渡さず、米が制裁を解除しなければ「永久に破棄する」としている。イランは査察の制限は核合意の破棄を意味しないと主張しており、同国内のIAEAの査察官の数も維持される見通しだ。

 イランは査察の制限で米側の制裁解除を狙った。一方、サリバン米大統領補佐官(国家安全保障問題担当)は21日、CBSテレビ番組で「バイデン大統領はイランとの交渉のテーブルに着く用意がある」と発言。イラン側は対話の機運があるとみて、譲歩した可能性がある。

アクセスランキング

もっと見る

ピックアップ