文在寅氏、次の一手描けず 慰安婦・徴用工問題解決に意欲も

 【ソウル=桜井紀雄】いわゆる徴用工訴訟で日本企業に賠償を命じた判決に続き、慰安婦問題で日本政府への賠償を命じた判決が23日午前0時(日本時間同)に確定し、「異常な事態」(日本政府高官)が現実のものになった。韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領は、外交的な解決に向けてようやく意欲を示したが、幾重ものハードルが立ちはだかっている。

 日本政府は、国家は他国の裁判権に服さないという国際法上の原則から裁判自体を認めていない。原告側は、韓国内の日本政府の資産差し押さえが理論上は可能になったが、日本企業の資産売却に向けた法的手続きが進む徴用工判決と違い、実行は極めて難しい。

 在韓日本大使館を含め、韓国内にある日本の国有資産の大半は、外国公館への不可侵を定めたウィーン条約で保護の対象とされ、強制執行で差し押さえられる資産を探し出すのも容易でない。執行の可否は別の裁判官が判断するため、認められずに、判決がたなざらしになる可能性もある。

 判決後、にわかに注目され始めた「財源」がある。慰安婦問題をめぐる2015年の日韓合意に基づき、日本政府が拠出した10億円のうち、文政権が合意を実質ほごにしたため、宙に浮いた5億円余りの存在だ。

 22日に日本に到着した姜昌一(カン・チャンイル)新駐日韓国大使は、問題解決に向け、日韓両政府がこの残金も使って「基金をつくることを話し合うべきではないか」と述べた。

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