指導力回復目指すバイデン米政権、コロナ最優先で経済再起動

 バイデン米政権は未曽有の危機の中で船出した。40万人以上の犠牲を生んだ新型コロナウイルスの押さえ込みを最優先に、経済を再起動させる重責を担う。国内に目配りしつつも、中国への対処のため、同盟国との関係修復を急ぎ、世界における米国の指導力回復を目指す。

■同盟との連携に期待

 バイデン米大統領は20日の就任演説で新政権の外交政策に関し、「私たちは同盟諸国との関係を修復し、再び世界に関与していく」と表明した。

 トランプ前政権が日本や韓国、北大西洋条約機構(NATO)加盟国に対し、米国との軍事協力の維持と引き換えに駐留米軍経費の負担増や国防費の増額などの要求を突きつけ、ドイツなど一部の同盟国との伝統的な信頼関係にひびを入れてきたのを是正する狙いがあるのは明らかだ。

 「米国の連帯」と「新型コロナウイルス危機の克服」という2大テーマが内容の大半を占めた就任演説で、バイデン氏はあえて「国境の向こう側の人々へのメッセージ」と称して「同盟修復」の問題に言及した。これは新政権が中国やロシアへの対処に向けて日本などの同盟諸国との連携に強い期待をかけている証左でもある。

 バイデン氏はまた、「米国は昨日の試練でなく、今日と明日の試練に対応していく」と表明した。

 日本や東南アジア諸国連合(ASEAN)加盟国を含むインド太平洋諸国の間で、バイデン政権がオバマ元政権のような対中融和姿勢に逆戻りする懸念が強いことを意識したものだ。

 発言はまた、対中国に加え、強権ロシアとの「リセット」路線、北朝鮮に対する「戦略的忍耐」といった、オバマ元政権で続発した外交・安全保障分野での失敗を繰り返さないとの誓約を国際社会に向けて発信したものでもある。(ワシントン 黒瀬悦成)

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