厳戒の首都で異例就任式 「晴れやかな気分」「グッズ売れぬ」

 【ワシントン=上塚真由】バイデン米大統領の就任式が20日、厳戒態勢の首都ワシントンで行われ、懸念されたトランプ前大統領の支持者によるデモや暴動などは起きなかった。就任式会場となった連邦議会議事堂前やその周辺一帯は封鎖され、バイデン氏の支持者らは遠く離れた場所から、フェンス越しに新政権の誕生を祝った。

 「歴史的瞬間に居合わせたくて、やってきた。トランプ氏で傷ついた米国を、バイデン氏が良い方向に導いてくれると信じている」。西部カリフォルニア州から友人4人と来た大学院生、アリアナ・アバロスさん(24)は、就任式会場から数ブロック離れた路上で、スマートフォンで就任式の様子を見守った。高いフェンスなどに阻まれ、バイデン氏が乗る車列さえ直接見ることはできなかったが、「とても晴れやかな気分だ」と話した。

 また、幼児施設で働く南部バージニア州のシアラ・ターナーさん(30)はボードを持ち、街で会った人々に就任式の日の思いを書き込んでもらっていた。「希望はある」などとメッセージが書かれたボードを手に、「大変な時代だが、米国人は前向きな気持ちでいる。子供たちにもこの思いを伝えたい」と語った。

 厳戒態勢の中、支持者らは思い思いの方法で新政権誕生を祝ったが、数万人が集まる通常の就任式と比べると、支持者の数は圧倒的に少ない。バイデン氏とハリス副大統領のグッズを路上で販売していた男性は「治安対策は大切だが、グッズはほとんど売れない。残念で仕方ない」と肩を落とした。

 6日に起きた連邦議会議事堂の襲撃・占拠事件を受け、市中心部の多くの飲食店は暴動を警戒して窓にベニヤ板を張り、一時休業に。数少ない開店中の店では銃を持った州兵らが列に並び、昼食のハンバーガーを買う姿もあった。

 就任式に合わせて徹底した治安対策が取られ、連邦航空局は20日午前、ワシントン近郊のレーガン空港での民間便の発着陸を約2時間にわたり停止したという。ハワイ州から来た不動産業の女性(59)は「大規模な警備でも無事に就任式が終わって安心した。われわれは民主主義を証明した」と語った。

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