バイデン米大統領就任へ 初日にWHOへの脱退撤回表明

 【ワシントン=塩原永久】昨年11月の米大統領選を制した民主党のジョー・バイデン氏(78)が20日正午(日本時間21日午前2時)、首都ワシントンの連邦議会議事堂で宣誓し、第46代大統領に就任する。就任初日にはトランプ共和党政権が決めた世界保健機関(WHO)からの脱退撤回を表明し、世界最悪の被害状況となっている新型コロナウイルスの封じ込めを最優先に急ぐ。

 バイデン新大統領は宣誓後の演説で、国民の結束を訴え、「前向きなビジョン」(新政権関係者)を示す。バイデン氏は新型コロナ対策にとどまらず、国内の政治的な分断の解消や台頭する中国への対処など重い課題を背負う。

 20日には、地球温暖化対策の国際枠組み「パリ協定」復帰などを決める十数本の大統領令に署名し、就任初日から政権運営を本格化させる。トランプ大統領が昨年7月に通告したWHO脱退の手続きの停止も決める。トランプ氏は組織運営が中国寄りだとWHOを批判していた。

 米国では19日、新型コロナの累積死者が40万人を突破した。バイデン氏は対策を促すため、連邦政府の施設や敷地内で職員によるマスク着用を義務付ける大統領令を20日に出す。就任後100日間を感染症制圧に集中的に取り組む期間と位置付け、ワクチンの1億回分の接種達成も目指す。

 バイデン氏は19日、地元の東部デラウェア州から首都ワシントンに到着。市内で開かれた新型コロナの犠牲者の追悼式典に参加し、「傷を癒やすためには、記憶に残すことが必要だ。亡くなった全ての人を記憶にとどめよう」と述べた。

 就任式には通常、新旧の大統領が同席するが、トランプ氏は欠席。退任する大統領が就任式参加を拒んだのは1869年の第17代アンドリュー・ジョンソン大統領以来152年ぶり。

 大統領が核攻撃を命じるための機器が入った「核のフットボール」と呼ばれる革製カバンの引き継ぎも、通常は対面で行われるが、バイデン、トランプ両氏にそれぞれ機器を用意し、バイデン氏の大統領就任の時点でトランプ氏が持つ装置を起動不能にする形で行われるとみられる。

 一方、バイデン新政権の閣僚や幹部人事の議会承認の手続きは遅れ気味だ。トランプ氏が大統領選敗北を受け入れてこなかった混乱などが尾を引き、政権発足の20日に1人でも承認手続きを済ませられるかは微妙という異例の状況だ。

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