米新国務長官候補「中国に強い立場で臨む」 上院で公聴会

 【ワシントン=黒瀬悦成】20日に就任するバイデン新米大統領が指名した新政権の外交・安全保障関連の閣僚や高官の承認に向けた初めての公聴会が19日、上院の各委員会で開かれた。

 公聴会で証言したのは、国務長官候補のアントニー・ブリンケン氏、国防長官候補のロイド・オースティン氏、国土安全保障長官候補のアレハンドロ・マヨルカス氏、国家情報長官候補のアブリル・ヘインズ氏。いずれも就任には上院での承認が必要となる。

 ブリンケン氏は、上院外交委員会に提出した書面証言で、現在の世界を取り巻く課題について、国家主義の台頭と民主主義の後退、中国やロシアなどの権威主義国家との対立激化などを列挙した。

 また、安定して開かれた国際システムへの脅威が増しているとも指摘し、これらの課題への対処には「米国の指導力が引き続き重要になる」と強調した。

 さらに、ブリンケン氏は公聴会で、米国にとって最も重大な外交的懸案は「中国だ」と明言。トランプ政権が中国に対して展開した厳しい政策について「方法には同意しかねるが、正しい取り組みだった」との認識を明らかにし、新政権でも中国に「強い立場で臨んでいく」と表明した。

 台湾情勢をめぐっては、台湾の自衛能力の確保に向けて新政権が「永続的に関与する」と強調。台湾が国際機関でより大きな役割を果たすことにも期待を表明した。

 イランの核問題では、同国が核分裂物質から核兵器1発を製造するのに必要な時間である「ブレークアウト・タイム」が従来の「1年以上」から「3~4カ月に短縮された」と指摘し、イランの核保有阻止は、米国に課せられた「喫緊の責任だ」と訴えた。 

 2月に期限切れとなるロシアとの新戦略兵器削減条約(新START)については、延長を目指す考えを明らかにした。条約は最大5年間の延長が可能だが、延長の期間については「(新)大統領が決める」と述べるにとどめた。

 トランプ政権がイスラエルのテルアビブからエルサレムに移した米大大使館を改めて再移転しない考えも明らかにした。

 一方、新国防長官に指名されたオースティン氏は、上院軍事委員会の公聴会で、「中国に決して軍事的な優勢を与えない」と明言し、日本などを念頭にインド太平洋地域での同盟関係を「修復」していくと強調した。

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