チュニジアで反政府デモ 「アラブの春」から10年の苦悩

 【カイロ=佐藤貴生】北アフリカのチュニジアで17日、反政府デモが起き、同国内務省は240人以上を逮捕した。ロイター通信が伝えた。チュニジアは10年前の2011年1月に反政府デモで長期独裁政権が崩壊し、中東・北アフリカに反政府活動が広がった「アラブの春」の先駆けとなった。民主化を達成した唯一の成功例とされるが、経済の低迷で市民は苦しい生活を強いられている。

 デモは15日以降、首都チュニスを含む少なくとも15カ所で起きた。17日の逮捕者の多くは10代で、道路を封鎖したり投石したりしたため、警官隊が放水や催涙弾で鎮圧した。商店や銀行が襲撃され、会員制交流サイト(SNS)では奪った警察車両を運転する若者の動画も出回っているという。

 チュニジアでは11年1月14日、相次ぐ反政府デモを受け当時のベンアリ大統領が出国し政権が崩壊。その後はイスラム主義政党が合法化されて選挙に参加したほか、14年には人権尊重や男女平等、表現の自由などを定めた新憲法が制定されるなど民主化が進んだ。

 だが、政争や景気悪化の影響で公共サービスの質は低下。一部地域で若年層の失業率が30%に達するなど、若者らに閉塞(へいそく)状況への不満がたまっていた。

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