ハムサンド没収、指揮者移籍…英EU離脱、困惑徐々に 移行期間終了半月

 【ロンドン=板東和正】英国を欧州連合(EU)加盟国と同等に扱う「移行期間」が昨年12月31日に終わり、英国がEUを完全に離脱してから半月が過ぎた。移行期間終了後に発動したビザ(査証)の厳格化やEUへの食品持ち込み制限などに対する困惑が徐々に広がっている。

 オランダの現地メディアは今月8日、同国の国境検問所で、英国から到着した運転手らが自前のハムサンドイッチなどの食品を担当職員に没収される様子を報じた。EUの規則では、EU域外からの移動者は肉や乳製品など特定の食品の持ち込みが禁じられている。あぜんとする運転手に対し職員は「離脱へようこそ。残念ですが…」とあいさつした。

 移行期間終了後、英EU間で自由な移動が制限された影響も指摘される。

 ドイツのバイエルン放送交響楽団は11日、2023年にロンドン交響楽団の音楽監督を務める英国人の世界的指揮者、サイモン・ラトル氏を首席指揮者に迎えると発表した。この移籍の背景には、ラトル氏が新たなビザ制度に不満を感じていたことが要因との見方もある。英国人はEU加盟国への長期滞在などにビザが必要になり、欧州各地での演奏活動が制限されるとの懸念があるためだ。

 一方、当初、心配されていた英仏間を往来するトラックの渋滞や貨物の滞留といった大きな混乱は現時点では出ていない。一部の企業が移行期間終了後に必要になった通関手続きを避けるため、英EU間の移動を削減していることも影響しているとみられている。

アクセスランキング

もっと見る

ピックアップ