湾岸戦争開戦30年 米の指導で世界が結束 中露強権時代の指針

 米国を中心とした多国籍軍が、クウェートを侵攻・占領したイラクに対する空爆を始めた1991年1月の湾岸戦争の開戦から17日で30年。米国の指導の下、国際社会は国連安全保障理事会決議に基づく武力行使により、結束してイラクの独裁者、サダム・フセイン大統領(当時)の野望を打ち砕いた。中国やロシアの強権姿勢が目立つ今、湾岸戦争は民主主義諸国がとるべき道を指し示している。

 20日に就任するバイデン米次期大統領は中露に対して「同盟国や国際機関と緊密に連携し統一戦線を張る」と語る。トランプ政権の「米国第一」路線を国際協調路線に転換するため、日本を含む民主主義諸国の首脳会議(サミット)の開催も構想。一方、新型コロナウイルス対策で成果を上げたと主張する中国は共産党一党独裁政権の正当性を訴え、世界は価値観をめぐる対立をはらみ始めた。

 湾岸戦争は、米国とソ連の東西冷戦終結が89年12月に宣言された後、米ソ協調の下で始まった。

 「ジャングルの法則ではなく、法の支配が諸国家の行動を決める新しい世界を築く機会だ」。イラク空爆開始から2時間後の演説で父ブッシュ米大統領(当時)はこう語り、「国連が平和維持の役割を担う新世界秩序」に移行する「歴史的な瞬間」であると湾岸戦争を位置づけた。

 イラク軍が91年1月15日までにクウェートから撤退しない場合の武力行使を容認した安保理決議案はソ連も共同提案国の一員となり、常任理事国のうち棄権した中国を除く4カ国が賛成し、非常任理事国を含め12対2で可決された。

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