バイデン政権が新設した「アジア担当」にキャンベル元米国務次官補、対中牽制役に 識者「共和党主流派とも連携がとれる」

 ジョー・バイデン次期米大統領は、ホワイトハウスに新設するアジア担当の高官ポストに、バラク・オバマ前政権で国務次官補(東アジア・太平洋担当)を務めた、「知日派」のカート・キャンベル氏を起用する方針を固めたという。米紙ワシントン・ポスト(電子版)など海外メディアが13日、報じた。「親中」傾向が指摘されるバイデン次期政権だが、キャンベル氏の抜擢(ばってき)は、対中姿勢や日米同盟にどう影響するのか。

 キャンベル氏は1957年、カリフォルニア州生まれ。カリフォルニア大学サンディエゴ校卒業後、アルメニアのエレバン国立大学修了、英オックスフォード大学ブレーズノーズ・カレッジで国際関係論の博士号を取得し、米海軍で勤務した。

 ビル・クリントン政権下では、国防副次官補として日米防衛協力のための指針見直しなどを担当した。国家安全保障会議(NSC)の事務局長、北米自由貿易協定(NAFTA)の大統領特別顧問代行なども歴任し、オバマ政権の国務次官補として「アジア重視」戦略に尽力した。

 キャンベル氏は「中国に厳しい態度で迫る必要性」を主張しており、米外交専門誌では、中国の海洋進出や人権状況を批判してきた。

 ロイターによると、トランプ政権の対中強硬路線の一部や、北朝鮮対応を支持したこともあるという。

 米国政治に詳しい福井県立大学の島田洋一教授は「キャンベル氏は海軍経験もあり、軍事にも長けている。対中戦略でも、道を踏み外すような人物ではない。バイデン次期政権中枢に『対中宥和派』が多いなか、政権内での牽制(けんせい)役になることが期待される」と語る。

 では、日米同盟はどうなるか。

 島田氏は「キャンベル氏は、元国防次官補でハーバード大学のジョセフ・ナイ教授や、リチャード・アーミテージ元米国務副長官ら、アジア政策を主導する超党派グループの一員だ。民主党系だが、マイケル・グリーン元大統領特別補佐官ら共和党主流派とも連携がとれる人物だ。日本もこうした人脈を通じ、ホワイトハウスと直にルートが形成されるとも考えられる」と語った。

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