チュニジア政権崩壊から10年 「アラブの春」の先駆け いまも続く経済不振

 【カイロ=佐藤貴生】10年前の2011年1月14日、アフリカ北部のチュニジアで23年あまり続いたベンアリ政権が反政府デモで崩壊した。デモが波及したエジプトやリビア、イエメンでもこの年、長期独裁政権が倒れた。ベンアリ政権の崩壊は中東・北アフリカに反政府活動が広がったいわゆる「アラブの春」の始まりと位置付けられる。

 民主化を達成したチュニジアは唯一の成功例とされた。だが、経済低迷から脱却できず、なおも不満がくすぶり続けている。

 当時のデモはチュニジアを代表する花の名から「ジャスミン革命」と呼ばれた。10年前、期待を胸にデモに加わったという同国北西部ジェンドゥーバのアビディさん(28)は産経新聞の現地助手に、「革命は半分しか達成されなかった」と話した。

 大学を出たのに職に就けず、生活費は親頼み。「大卒失業者同盟」という組織で抗議デモを続ける。アビディさんは「学位は無意味になった。この国の経済は暗黒の時代に向かっている」と嘆いた。

 ベンアリ政権崩壊のきっかけは10年12月、貧窮する露天商の男性が図った焼身自殺だった。経済への不満が募っていた若者らがインターネットを通じて連携し、大規模デモに発展した。

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