トランプ去っても今度は「バイデン独裁」に苦しむアメリカの憂鬱

 連邦議事堂へのトランプ支持者の乱入事件で、アメリカ政界の「トランプ離れ」は急速に進んでいる。しかし、それで国と国民の分断が解決する見込みは薄い。ニューヨーク在住ジャーナリスト・佐藤則男氏が、現地にいればこそ見えるアメリカ人の憂鬱をリポートする。

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 アメリカに永住して46年経った。今回の一連の事件、つまり極右勢力による議事堂襲撃という最悪の事態に対し、日本をはじめ諸外国ではアメリカが危機に瀕したと報じられている。しかし、筆者はそうは思わない。世界の多くの国が似たような危機を経験したが、たいていの国は再び立ち上がり、より豊かな、より良い国を国民が作ってきたと信じている。国は大統領や議会が作るのではなく、国民が作るものである。犯罪や民主主義を脅かすような間違った行動に出る大統領や議員を排除する権利を国民は持っている。

 今日のアメリカの課題は、そのような大統領や議員の行動・信条を、国民が知るすべを持っているかということだ。その役割を果たすのがニュースメディアであることは間違いないが、そのニュースメディアはいま、保守派とリベラル派に分かれ、国民を真っ二つに割るばかりだ。政治家と同じ土俵に上がってしまったのである。どのような出来事にも右左の価値観を当てはめ、安易な報道をするから国民が右往左往する。

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