米、台湾との接触制限撤廃 「歓迎と感謝」と台湾外交部

 【ワシントン=黒瀬悦成、台北=矢板明夫】ポンペオ米国務長官は9日の声明で、米国の外交官や軍人、政府関係者が台湾の当局者らと接触するのを制限してきた国務省の内規を全面的に撤廃すると発表した。各連邦省庁などに対しても、これまで台湾当局者との接触の制限を求めてきた、国務省通達による関連指針を無効化するよう指示した。

 ポンペオ氏は「米政府はこれまで、北京の共産党体制との融和を図るため、こうした措置を一方的にとってきたが、もう終わりにする」と言明した。

 米国務省の決定について台湾の外交部(外務省に相当)は10日、「私たちは一貫して実務的で責任のある姿勢で外交を推進し、台米間の信頼関係を高めてきた。これからも米国と自由や民主主義、人権の尊重などの価値観を共有しながら、関係をさらに深化したい」とする「歓迎と感謝」の声明を発表した。

 また、ポンペオ氏は9日、米国の対台湾窓口機関である米国在台協会(AIT)を介さない台湾当局との交流を制限した国務省の外交関連の手引書の条項についても、無効にすることを明らかにした。

 トランプ政権は、中国に対抗して台湾の防衛能力を強化させるため武器供与を積極的に実施してきたほか、トランプ大統領が昨年11月の大統領選で敗北した後も、台湾との新たな経済対話を開始するなど、台湾重視の立場を鮮明に打ち出してきた。

 今月13日にはクラフト国連大使を台湾に派遣する。中国の国連加盟を受けて1971年に台湾が国連を脱退して以降、米国連大使が訪台するのは初めてとなる。今回の制限措置の撤廃は、バイデン次期政権が引き続き台湾と緊密な関係を維持していくようレールを敷く思惑がある。

 ポンペオ氏は「(米台という)両民主体制は、個人の自由、法の支配、人間の尊厳の尊重といった価値観を共有している」と指摘し、「米台関係は、米国の官僚制が自ら課した規制に縛られる必要はないし、縛られるべきでない」と強調した。

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