バイデン次期政権 民主党、11日にもトランプ氏の弾劾訴追決議案を提出へ 議事堂占拠を扇動したと告発

 【ワシントン=黒瀬悦成】米連邦議会議事堂がトランプ大統領の支持勢力に襲撃・占拠され、警官1人を含む5人が死亡した事件で、下院民主党は8日、支持勢力を扇動したとしてトランプ氏を弾劾訴追する決議案(起訴状に相当)を11日にも提出する方針を固めた。来週中にも下院で採決される可能性がある。

 トランプ氏は2019年、下院で弾劾訴追を受け、上院の弾劾裁判では無罪となった。米大統領が任期中に2回も弾劾の対象となるのは初めて。ただ、トランプ氏は20日に任期切れとなるため、それまでに弾劾訴追のプロセスを完了させるのは極めて困難との見方も強まっている。

 NBCテレビが入手した弾劾訴追決議案によると、トランプ氏が昨年の大統領選で民主党のバイデン次期大統領に敗北した選挙結果を覆すため「反乱を扇動」し、「国家安全保障と政府の体制を重大な危険に陥れた」と告発した。

 決議案はまた、トランプ氏が「民主制度の完全性を脅かし、平和的な政権移行を妨害し、大統領としての信頼を裏切った」と強く非難した。

 ペロシ下院議長は8日、トランプ氏が直ちに辞任しない場合は弾劾訴追に入るとの考えを表明。これに対しトランプ氏は、側近を通じて辞任の意向は「一切ない」と強調していた。

 ホワイトハウスのディア報道官は弾劾の動きに関し「政治的思惑に駆られたものだ」と批判し、「偉大なわが国をさらに分断させるだけだ」と警告した。

 ロイター通信と調査会社イプソスが8日発表した合同世論調査では、57%が「トランプ氏は直ちに大統領の座から退くべきだ」と回答した。

 ペロシ氏氏はまた、米軍制服組トップのミリー統合参謀本部議長と8日、トランプ氏が突然他国に核攻撃を命じるなどの不測の事態を避けるための予防策について電話で協議した。FOXニュースによると、ミリー氏は対策が講じられていると説明したという。

 一方、バイデン氏は8日、トランプ氏を「大統領として職務を遂行するのに不適格だ」と批判する一方、弾劾の是非については「議会が決めることだ」と述べるにとどめた。

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