元慰安婦の訴訟「主権免除」適用が焦点 ソウルで8、13日に判決

 【ソウル=名村隆寛】韓国の元慰安婦らが日本政府を相手取り損害賠償を求めた訴訟2件の判決が8、13両日にそれぞれソウル中央地裁で言い渡される。日本政府は、他国の裁判権に国家は服さないという国際法上の「主権免除」の原則に基づき、訴訟への関わり自体を拒んでいるが、地裁が原則を適用せず日本政府に賠償を命じた場合、日韓関係は危機的な状況に陥ることが不可避となる。

 日本政府は、訴えの却下が相当とし、過去一度も審理に出席していない。判決で主権免除の原則が適用されるか否かが焦点となるが、原告側は慰安婦問題を「反人権的な国家の犯罪行為」と訴えており、主権免除に反対している。

 日本政府を相手取った元慰安婦らの訴訟としては8日が初めての判決となる。この訴訟は故人を含む元慰安婦12人が1人当たり1億ウォン(約950万円)の賠償を請求。13日判決の訴訟は元慰安婦ら20人が計約30億ウォンの賠償を求めている。

 判決が原告勝訴となり、日本政府が控訴しない場合、判決は1審で確定する可能性が高い。原告側は、「日本政府が賠償に応じない場合、強制執行手続きを進める」との姿勢を示しており、韓国国内の日本政府の資産が差し押さえの対象となることもあり得る。

 日韓両政府は2015年の合意で、慰安婦問題の「最終的かつ不可逆的な解決」を確認した。だが、合意は韓国側によって一方的に破棄されたも同然の状態となっている。

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