イランで「核計画の中心人物」の科学者暗殺 当局が報復言明 イスラエル関与か

 【カイロ=佐藤貴生】イランの首都テヘラン近郊で27日、同国の核兵器開発計画を中心となって進めてきたとされる科学者が襲撃されて負傷し、搬送先の病院で死亡した。ロイター通信が伝えた。暗殺の背後関係は不明だが、ザリフ外相は敵対するイスラエルの関与を示す「重大な形跡」があると述べた。イランの最高指導者ハメネイ師の軍事顧問を務めるデフガン氏も、イスラエルが関わったとして報復すると言明した。

 死亡したのはモフセン・ファクリザデ氏。警護員と乗っていた車が何者かに襲われ、銃撃を受けた。イスラエルと同盟国の米国は同氏が長年にわたってイランの核開発計画を極秘裏に主導してきたとみており、米大統領選後の混乱が続く不安定な情勢の中、イランをめぐって緊張が高まる恐れがある。襲撃について米政府やイスラエルはコメントしていない。

 イスラエルのネタニヤフ首相は2年前、イランの核兵器開発をめぐってファクリザデ氏を名指しで非難した。国際原子力機関(IAEA)も過去の報告書で、同氏がイランの核計画を監督する立場にあるとの見方を示していた。

 イランでは過去にも核計画に関わった科学者が爆弾や銃撃により殺害されており、イランは米国やイスラエルの仕業だと非難してきた。

 イラン中部ナタンズの核関連施設では7月上旬に火災が起き、政府当局者はサイバー攻撃を受けた可能性を示唆していた。イランの核施設はかつて、米国やイスラエルが開発したとされるコンピューターウイルスの攻撃を受けたといわれる。

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