中国外相「米国だけでない」…習氏訪韓に賭ける文政権揺さぶり

 韓国の文在寅(ムン・ジェイン)政権は、北朝鮮や日本との関係改善が思うように進まない中、中国の習近平国家主席の訪韓を外交的成果にすることに賭けてきた。だが、今回訪韓した王毅国務委員兼外相からも習氏の訪韓確定という望み通りの答えは引き出せなかったようだ。

 「皆、マスクをしているではないか」。王氏は26日、習氏の訪韓について問う記者団に対してこう述べ、環境が整っていないとの認識を示した。その上で、習氏訪韓の条件として、新型コロナウイルスの「完全な制御」を挙げた。

 訪韓のハードルを上げ、韓国側の一層の譲歩を促す狙いもうかがえる。

 王氏は今回、26日の康京和(カン・ギョンファ)外相や文大統領との会談、与党「共に民主党」の李海●(=王へんに賛の夫がそれぞれ先)(イ・ヘチャン)前代表との夕食会のほか、27日朝には、文正仁(ジョンイン)大統領統一外交安保特別補佐官や朴炳錫(パク・ビョンソク)国会議長と朝食会や面談を予定するなど、韓国政府・与党要人との会談が詰まっている。李海●(=王へんに賛の夫がそれぞれ先)氏は大統領特使として何度か訪中経験があり、文正仁氏は対中・対北外交での文大統領のブレーンだ。韓国紙は、李仁栄(イニョン)統一相も面談を望んだが、日程からあぶれたと伝えた。

 文大統領が最重視する北朝鮮との対話は長らく滞ったまま。文政権や与党は、来夏の東京五輪での南北融和の演出に望みを託すが、いわゆる徴用工訴訟での判決問題が日本との関係改善の障害となってきた。当面、外交的成果を期待できるのは対中関係ぐらいだ。

 王氏は米中対立に絡む記者団の質問に「世界に米国だけがあるわけではない」と指摘し、「隣人」としての中韓の頻繁な往来とともに、「戦略的な協力パートナー」としての中韓各方面での協力の必要性を強調した。米国に寄りすぎるな-と韓国にクギを刺す役目は果たしたようだ。(ソウル 桜井紀雄)

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