バイデン「新政権」人事 国務長官にブリンケン氏、中国名指し批判は期待できず 「トランプ路線」の変更鮮明に

 米大統領選で当選確実が報じられた、民主党のジョー・バイデン前副大統領の「新政権」人事が続々と固まりつつある。外交のかじ取り役である国務長官に、オバマ前政権で国務副長官を務めたアントニー・ブリンケン氏を、財政・金融政策を担当する財務長官に、前連邦準備制度理事会(FRB)議長のジャネット・イエレン氏を指名する方向になった。米中新冷戦が指摘されるなか、これらの顔ぶれを、どう見るべきなのか。

 ブリンケン氏は、ハーバード大学卒でコロンビア大学法科大学院修了のエリート。副大統領時代のバイデン氏の国家安全保障問題担当補佐官を務め、その後、オバマ政権の国務副長官に昇格した。過激派組織「イスラム国」(IS)の戦いや、アジア太平洋リバランス(再均衡)政策などに携わった。

 当初、国務長官候補に名前が浮上した「親中派」のスーザン・ライス元大統領補佐官は、上院の承認が困難として見送られたようだ。

 外交・安保関連では、NSC(国家安全保障会議)を統括する補佐官(国家安保問題担当)には側近のジェーク・サリバン氏、国連大使に黒人女性のリンダ・トーマスグリーンフィールド氏の起用も発表した。

 「多国間主義」や「同盟重視」を掲げるバイデン氏としては、ドナルド・トランプ政権の「米国第一」主義と、路線変更を鮮明にしたかたちだ。

 福井県立大学の島田洋一教授は「ブリンケン氏とサリバン氏は、民主党の政権スタッフとして忠実な補佐役だった人物である。マイク・ポンペオ国務長官のように、中国を名指しで批判するような強い発言は期待できない。ただ、トランプ政権が在日米軍の駐留費全額負担を要求したような、乱暴な要求をされることもないだろう」と指摘した。

 財務長官候補のイエレン氏は、オバマ前政権時代に起用され、FRB議長を14~18年まで務めた。リーマン・ショック後、米経済が回復するなか、利上げに慎重な姿勢を取り続けたため、トランプ大統領は再任を見送った。

 前出の島田氏は「共和党が上院の過半数を維持することが濃厚であることから、全体的に落ち着いた人事にまとめたという印象だ。ただ、民主党内の左派からはすでに反発が出ている。今後も注視する必要がある」と解説した。

アクセスランキング

もっと見る

ピックアップ