イスラエルのメディアがネタニヤフ首相のサウジ極秘訪問を報道

 【カイロ=佐藤貴生】イスラエルのメディアは23日、同国のネタニヤフ首相が22日にイスラム教スンニ派大国サウジアラビアを極秘訪問し、同国の次期国王と目されるムハンマド・ビン・サルマン皇太子やサウジ訪問中のポンペオ米国務長官と面会したと伝えた。

 事実とすれば、イスラエル首相のサウジ訪問が公になるのは初めて。両国ともシーア派大国イランの軍事的脅威に懸念を強め、トランプ米政権との協力の下、秘密裏に接触してきたとされる。イスラエル首相府は訪問の有無について確認していない。

 イスラエル有力紙ハーレツ(電子版)は政府筋の話として、ネタニヤフ氏は対外特務機関モサドの長官を同行し、皇太子やポンペオ氏とサウジの紅海沿岸で面会したと伝えた。

 また、米紙ウォールストリート・ジャーナル(電子版)は、3者がイスラエルとサウジの国交正常化についても協議したと報じた。

 サウジは独立国家建設などによりパレスチナ問題が解決しない限り、イスラエルと国交を結ばないというのが公式の立場だ。ただ、パレスチナ問題の解決にこだわるサルマン国王に対し、皇太子はイスラエルとの国交樹立に前向きとの観測が根強い。

 トランプ米政権は今年、アラブ首長国連邦(UAE)やバーレーンなどとイスラエルとの国交正常化合意を仲介したが、イスラム世界に大きな影響力を持つサウジがイスラエルとの国交樹立に踏み切れば、世界に与えるインパクトは比較にならないほど大きい。

 ネタニヤフ氏や皇太子は、イラン核合意を離脱して「最大限の圧力」政策を取ったトランプ大統領と親密な関係を築いた。2人の面会が事実とすれば、米大統領選で勝利を確実にした民主党のバイデン前副大統領への交代を視野に接近をアピールし、対イランなど中東政策の変更を牽制(けんせい)する狙いがありそうだ。

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