香港最後の砦 司法の独立を問う(中)「推定無罪」尊重を 判例重視で国安法に対抗

 《202×年×月×日、香港の中学1年生、少年A(13)はデモ行進に参加し、繁華街の信号機をハンマーで破壊、香港国家安全維持法(国安法)違反(テロ活動罪)容疑で逮捕された。起訴後の公判で少年Aの量刑が審理された。

 香港司法当局「国安法の規定に基づき3年以上の懲役刑が相当です」

 少年A側「香港の法律では14歳未満の懲役刑を認めていない。懲役刑ではなく少年院送致が妥当です」》

 香港の法体系は旧宗主国の英国で発達した「コモンロー」で、裁判所の判例を重視する。これに対し、制定された法律を重視する法体系「シビルロー」に属する中国でできたのが、国安法だ。

 国安法はいわば、規格が異なる香港の司法システムに移植されたようなものである。香港司法側に“拒絶反応”が起きないのか。

 しかも市民の自由に制限を加える国安法は、香港の憲法に当たる香港基本法と相いれないのではないか。

 香港の法廷弁護士約1600人が加入する「香港法廷弁護士会」のフィリップ・ダイクス会長(67)は、「国安法の案件で違憲性を問うことは非常に難しい」としながらも、冒頭のような法廷闘争を通じて国安法に対処できるとみる。

 国安法施行翌日の今年7月1日、同法への抗議活動が香港各地で行われた。

 飲食店員の唐英傑被告(23)はこの日、反政府デモのスローガン「光復香港 時代革命」(香港を取り戻せ、革命の時代だ)と書かれた小旗を背に、バイクでデモ現場を走行、警官隊に突っ込んだ。

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