米国務長官、イスラエル占領地のゴラン高原訪問へ

 【カイロ=佐藤貴生】イスラエルを訪問中のポンペオ米国務長官は19日、イスラエルが第3次中東戦争(1967年)でシリアから占領したゴラン高原を訪問する。トランプ米政権は昨年3月、イスラエルの同高原への主権を承認して米国の政策を転換した。米大統領選で民主党のバイデン前副大統領が勝利を確実にしたことを受け、トランプ政権の実績をアピールする狙いだ。国際社会はイスラエルの主権を認めておらず、反発も予想される。

 ポンペオ氏は同日、エルサレムでイスラエルのネタニヤフ首相と記者会見し、ゴラン高原について「イスラエルの一部だと承認したのはトランプ大統領の決断で、歴史的に重要なことだ」と述べ、訪問する意向を明かした。

 一方、ネタニヤフ氏は「イスラエルにとって米国以上の友人はいない」と語り、トランプ政権への謝意を表明。同政権はエルサレムをイスラエルの首都と認定し、米大使館を西部テルアビブから移転するなど一貫してイスラエル寄りの政策を取った。

 ゴラン高原はシリア南部やレバノン、ヨルダンなど周辺一帯が見渡せる戦略上の要衝。イスラエルは占領後の81年に併合宣言した。

 カタールの衛星テレビ局アルジャジーラ(電子版)などによると、ポンペオ氏は20日までのイスラエル滞在中、占領地ヨルダン川西岸地区を訪問するとの観測も出ていた。同氏は19日、パレスチナ支援のために経済面などでイスラエルを孤立させる行動を取る団体があれば、ただちに対抗手段を取ると述べた。

 ポンペオ氏は同国で18日、敵対するイランについて「(周辺国への)影響力は衰えている」「(指導部が)方針を変えない限り、さらに孤立する」とし、制裁強化の意向を示した。

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