正恩氏が25日ぶり登場 バイデン時代控え体制引き締め

 【ソウル=桜井紀雄】北朝鮮の朝鮮中央通信は16日、金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長が15日に党政治局拡大会議を主宰したと報じた。会議では、教育機関の「重大な犯罪行為」とこれを黙認・助長した当局が厳しく指弾され、反社会主義行為を根絶するための闘争に力を入れるよう指示された。

 今月初めの米大統領選でバイデン前副大統領が当選を確実にし、トランプ大統領の米朝対話路線は見直しが避けられない。経済制裁や新型コロナウイルス対応による経済難の長期化も予想される中、体制の引き締めを図る狙いとみられる。

 正恩氏の動静が伝えられるのは、中国の朝鮮戦争参戦70周年に際して中国軍兵士の墓地参拝が10月22日に報じられて以来25日ぶり。動静の「空白」期間は今年最長となっていた。米大統領選の結果を受けた外交戦略の練り直しに集中していた可能性がある。

 今回の会議では、対米問題への言及は伝えられず、北朝鮮メディアも米大統領選の結果をいまだ報じていない。正恩氏が親交の厚さを誇示してきたトランプ氏が敗北を認めない中、出方を探る意図もあるようだ。

 会議では、平壌医学大学の指導部の犯罪行為について「深刻に議論」されたという。行為の内容は伝えられなかった。新型コロナに対する非常防疫体制のさらなる強化策も論議された。

 現地視察といった正恩氏の公開活動の減少に関し、韓国の情報機関、国家情報院(国情院)は、統治スタイルの変化も影響しているとみる。正恩氏が今年主宰した党の政策会議は、今回を除いて17回に上り、過去の年3回程度から急増。妹の金与正(キム・ヨジョン)党第1副部長ら側近に国政全般にわたって現場の指導を任せ、「現場指導中心の統治方法から政策指導中心に変わっている」と国情院は分析している。

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