WHO、米の復帰に期待と危惧 コロナ中間報告は先送り

 【ロンドン=板東和正】トランプ米政権が脱退を表明した世界保健機関(WHO、本部・ジュネーブ)の年次総会が、9~14日の日程でオンライン開催されている。トランプ政権はWHOを「中国寄り」と非難して脱退を決めたが、米大統領選で当選を確実にしたバイデン前副大統領はこれを撤回する見通しだ。WHOの最大拠出国である米国が復帰することで、WHOの機能は強まるのか、それとも改革が遅れるのか-。

 総会には194加盟国・地域の代表が参加し、新型コロナウイルスへの対応やWHO改革を議論している。米国は来年7月に脱退する方針を通知しているが、今回の総会には出席した。テドロスWHO事務局長は総会の演説で「バイデン氏の政権と緊密に連携していくのを楽しみにしている」と期待感を表明した。

 WHOをめぐっては、中国で新型コロナが猛威を振るっていた1月、中国に配慮して対応が遅れ、コロナ禍が世界に拡大したことが問題視されている。1月22~23日のWHO緊急委員会は「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」の宣言を見送っており、中国が圧力をかけたとみられている。緊急委は30日に宣言を出したものの、渡航制限の勧告は見送った。

 バイデン氏は「国際公衆衛生の強化に関わることで米国はより安全になる」としており、WHO脱退の手続きを停止する見通しだ。しかし、WHOの「中国寄り」が懸念される状況はいぜん続いている。

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