三菱重工の韓国内資産売却 公示送達の効力が10日午前0時に発生 挺身隊訴訟

 【ソウル=名村隆寛】韓国人の元女子勤労挺身(ていしん)隊員らによる訴訟で、韓国最高裁が2018年11月に三菱重工業に賠償を命じた確定判決を受け、大田(テジョン)地裁が同社に韓国内資産の売却に関して意見を聞く「審問書」などの「公示送達」の効力が10日午前0時に発生。地裁は売却命令を出すことが可能となる。

 公示送達は裁判所の掲示により書類が通知されたとする手続き。地裁は三菱重工側が売却関連の書類受け取りを拒否していることを理由に、9月7日に審問書をホームページなどに掲載し、書類が届いたとみなす公示送達をした。10日午前0時に審問の内容が伝えられたとみなされる。

 地裁は10月29日にも資産の差し押さえに関する公示送達をしており、こちらの効力は12月30日に発生する。対象となっている三菱重工の資産は特許権6件と商標権2件で、総額8億400万ウォン(約7200万円)相当。地裁は2つの公示送達の効力がそろう年末以降に、資産の売却(現金化)に向けた判断を出すものとみられている。

 いわゆる徴用工訴訟で日本企業に賠償を命じた韓国最高裁判決をめぐっては、大邱(テグ)地裁が日本製鉄に公示送達。効力が発生する12月9日以降に地裁が売却命令を出す可能性がある。

 日本政府は判決が「(請求権問題の完全かつ最終的な解決を定めた)1965年の日韓請求権協定に明らかに反している」とし、韓国政府に「適切な対応」を求めているが、韓国側は三権分立を理由に司法判断を尊重するとしている。

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